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3冠王者・G大阪か、雪辱期す浦和か、28日ゼロックス杯で両雄激突

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 昨季の3冠王者が15年初タイトルを勝ち取るか、それともリベンジか――。昨季国内3冠を達成したガンバ大阪と、昨季J1で2位の浦和レッズが激突する「富士ゼロックススーパー杯」が28日、日産スタジアム(神奈川)で開催される。ACLでともに黒星発進となった両チーム。今季の公式戦初白星を飾り、新シーズン最初のタイトルを獲得するのはG大阪か、それとも浦和か。

 昨季のJ1第32節。勝ち点5差、勝てば優勝の決まる首位・浦和をG大阪が後半43分からの2ゴールによって2-0で下し、続く第33節で順位を逆転した。そしてG大阪は9年ぶりのリーグ優勝。すでにナビスコ杯優勝を果たしていたG大阪は、その後天皇杯も制して史上2クラブ目となる3冠を達成した。一方、リーグ優勝目前でタイトルを失った浦和の「富士ゼロックススーパー杯」への意気込みは強い。

 27日に行われた前日会見に出席した浦和・ペトロヴィッチ監督は「我々は埼玉でのガンバとの対戦では、内容では上回ることができたと思っている。だが内容で上回っているチームが必ずしも勝つわけではないというのがサッカーである。我々としては昨年のホームでのガンバ戦同様、内容のあるゲームをすることを目指して臨みたいと思いますし、ああいったゲームができれば必ず勝利できると思っている」。また、そのG大阪戦について「素晴らしい雰囲気、スタジアムで試合ができて、ガンバという最高の相手と試合をして勝って喜びたかった。その試合に勝って喜びたかったというのがあったので、それが達成できずに残念でした」と振り返ったMF阿部勇樹は再戦へ向けて、「ガンバとはシーズン中にこの先何回も戦うと思うので、最初の試合を素晴らしい試合にしたいと思いますし、何とか勝って次のACLにつなげていきたいと思っています」と語った。

 一方、G大阪もこの一戦での勝利に集中している。長谷川健太監督は、FWズラタンやFW石原直樹、DF橋本和、FW高木俊幸ら即戦力を補強した今季の浦和の印象について「(浦和は)非常に選手層が厚くなっていると思いますし、今年に懸ける想いも非常に感じます。ですから、明日の戦いはまた厳しいものになると思います」と警戒。だが、G大阪も昨年以上のチームづくりをしてきた。「(浦和と同じように)我々も今シーズン、『さらに強くなろう』ということでスタートしている。あすのゲーム、内容、結果でも素晴らしい結果が出せるように全員で戦っていきたい」。浦和に勝って15年最初のタイトルを手にすることだけを考えている。

 ともにACLで黒星発進。だが、G大阪の遠藤保仁、浦和の阿部ともに「ショックはない」と口をそろえた。敗戦を引きずるのではなく、次の戦いへと切り替えている。遠藤は「もちろん、勝ち続けられるチームが強いチームだと思いますが、シーズン通して全試合勝つことはまず不可能だと思っていますし、もちろんこの間のACLで出た課題を少しでも修正したいと考えているけれど、明日の浦和戦は全く違う大会ですし、プロの選手である以上、負けは許されないと思っています。明日の試合でも何も変わらず、一人ひとりが持っているものをチームのために全力で出してプレーしたい」。この一戦での勝利に全力を尽くす意気込みだ。

 G大阪が勝てば8年ぶり2回目、浦和が勝てば9年ぶり2回目の優勝となる「富士ゼロックススーパー杯」。昨季リーグタイトルを最後まで争い、互いに実力を認め合う両雄の戦いで、今季への弾みをつけるのは果たしてどちらか。

(取材・文 吉田太郎)

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