beacon

中山氏の現役復帰報道に発奮のF東京FW前田 6年ぶりハットで「負けないように頑張る」

このエントリーをはてなブックマークに追加
[9.12 J1第2ステージ第10節 F東京3-0神戸 味スタ]

 偉大過ぎる先輩の決断が大きな刺激になっていた。FC東京のFW前田遼一は、12日のヴィッセル神戸戦でハットトリックを達成。3-0での勝利で、J1通算200勝を呼び込む立役者となった。

 前半38分の先制点は、中盤でボールを奪ったMF米本拓司からのMF高橋秀人とボールがつながり、高橋のパスを受けて右足でゴールに蹴り込んだ。後半24分の2点目は、MF東慶悟からのクロスに対し、GKの鼻先で合わせてゴールネットを揺らす。さらに後半33分には再び東からのパスを受けて右足でゴールを決めた。

「本当にうれしいし、チームメイトに感謝したいです」と前田は喜ぶ。もっともうれしかったゴールには、1点目を挙げた。「やっぱり1点目は、先制点を挙げられたということでも良かったですし、最近点を取れていなかったので、そういう意味でも、うれしかったです」と、理由を説明した。

 この日3ゴールを挙げた前田だが、5日のニュースに刺激を受けていた。かつてジュビロ磐田でチームメイトだった47歳の中山雅史氏が、JFLクラブで練習に参加し、現役復帰を目指すというニュースだ。

 この日の3ゴールで通算ゴール数を145として、中山氏の持つ152点まで7と迫った前田は、現役復帰報道について「本気だったんだな、と思いましたね。僕も負けられないなという気持ちはあります」と、コメントした。そのゴール数を越えることを目標に掲げていた前田は、「本当に中山さんの背中を見て育ったようなものなので、僕も負けないように頑張ります」と、決意を新たにした。

 F東京に加入してからは初めてのハットトリック。自身にとっても、09年10月の名古屋戦以来となる1試合3発だった。第1ステージは途中出場が多かったが、FW武藤嘉紀がマインツへ移籍した第2ステージではレギュラーに定着。コンスタントなゴールこそないものの、圧倒的な空中戦の強さで攻撃の軸として活躍している。「最初に比べたら(チームメイトが)やりたいことも分かって来たことはあります」と、チームメイトとの連係が向上していると話す。「ここから連勝を続けていけるように、まずは次のマリノス戦頑張ります」と、ファン・サポーターにメッセージを送った前田は、今季初の2戦連発を狙う。

(取材・文 河合拓)

TOP