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東京Vは新加入ボランチコンビが奮闘、清水育ちのMF高木純はプライド胸に持論展開

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[2.28 J2第1節 東京V1-0札幌 味スタ]

 それぞれの誇りを胸に今、東京ヴェルディの一員として一つの方向を見据え、まい進している。東京Vは札幌に1-0で勝利し、4年ぶりに開幕戦を白星で飾った。ダブルボランチを務めたのは、新加入のMF高木純平(←山形)とMF船山祐二(←エアフォースセントラルFC)。攻守に渡り、そつなく90分間をこなした2人は完封勝利へ貢献した。

 昨季はMF中後雅喜とMF三竿健斗が務めていたポジション。三竿が鹿島へ移籍し、中後が故障中ということもあり、起用が注目されるなか、新戦力コンビでの先発となった。

 試合を振り返った船山は「前半は相手をリスペクトしすぎなところがあった。蓋を開けたらこっちのペースで、拍子抜けした部分はありました」と振り返りながら、「自分と純平さんが落ち着いてプレーできたことで主導権を握れたんじゃないかな」と手応えを語った。

 実際に試合後の会見で冨樫剛一監督は「紅白戦でも2人は良く、プレーがシンプル。攻撃でも流れていくし、守備でもしっかりとチャレンジ&カバーをして、バイタルエリアを消していく。そして前の選手をコーチングして、ファーストディフェンスを決めていくというところを、今日もそつなくやってくれた。非常に経験値の高いプレイヤーとしての質を見せてくれた」と高木純と船山を手放しで称えた。

 今季加入してきた2人。開幕スタメンに名を連ねたものの、すんなりとチームに溶け込めたわけではないようだ。下部組織出身者が多数を占め、クラブとして“緑の血”を感じさせるシーンも多い東京V。

 船山は「ヴェルディの選手たちは口には出さないですけど、“余所者”を認めないというか、“俺たちこそがヴェルディの奴なんだ”という意識が強い気がする。そこに認めてもらえているかどうかはわからないですけど、その中でもやらなきゃいけない。最初はそういう葛藤があるなかでやっていました」と明かす。

 これには高木純も「たしかにそういうのを感じる部分はある」と同調。それでも、清水エスパルスの下部組織で育ち、コンサドーレ札幌、モンテディオ山形でプレーしてきた33歳のMFは「でも正直僕は、だから何? という感じです」と持論を展開。もちろん、“緑の血”を卑下しているわけでなく、彼らと同じように自身が育った清水へ強い思い入れがあるからこそ、強く感じる部分があったようだ。

「ヴェルデイで育ったからといって、全てがいいとかではないし。色々な血が入らないと強くはならないと僕は思うので。僕はヴェルディ出身者ではないですけど、清水に育てられたと誇りに思っているし、恩を感じている。ここ(東京V)で僕がダメだと、清水がなめられることになる。恩を返すためにも清水で育った人間はしっかりできるというのを見せつけないといけないし、名を汚してしまうことだけは、避けないといけない」

「もちろんヴェルディ出身のみんなが誇りを持ってやる気持ちは、僕もすごくわかるので。そこに負けないように、チームのために一つになってやっていきたい。それこそがチームが強くなる要因にもなると思う」

 昨季は下部組織出身である若手の活躍が目立った。今季はそこに中後らに次ぐ形で経験豊富な戦力が加わることになった。船山は「こうやって試合に出て勝つことで、若い奴らも含めて、チームみんなが認めてくれると思う。そうすると発言力や影響力も持てるようになると思う。この1試合だけでなく、次からもこういうゲームを続けていければ」と強く誓った。

 生え抜き選手とは、また一風違った戦力が東京Vへ加わった。互いを尊重し、それぞれの誇りを胸に、同じ方向へ進んでいけば、新たなる化学反応は東京Vをまたチームとして一つ上へ押し上げ、結果を生み出すはずだ。

(取材・文 片岡涼)


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