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ハリルのEURO予想は本命フランス、台風の目クロアチア 「ドイツ、イタリア、スペインは活躍できない」

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 6月にフランスで開幕するEURO2016の全51試合を生中継するWOWOWが28日、都内で制作発表会見を行い、EURO2016 WOWOWアンバサダーに就任した日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督が出席した。

 現役時代、旧ユーゴスラビア代表の一員として自国開催のEURO1976に出場し、ベスト4に輝いた実績を持つハリルホジッチ監督は「40年前とはいえ、まだ記憶が新しい。ベスト4に残ったのは旧チェコスロバキア、旧西ドイツ、オランダ、そして旧ユーゴスラビアだった。私は当時24歳で、初めてのフル代表だった。当時のユーゴスラビアは強豪で、ポジション争いは大変だった。優勝はできなかったが、とてもいい思い出になった」と懐かしそうに振り返った。

 今大会より出場チーム数が24か国に拡大したEURO2016。「予測できないほど、オープンな大会になると思う」と語る指揮官は大会の展望も披露。「EUROに簡単な試合は存在しない。すべての試合が面白いが、特にグループDとグループEが接戦になるのではないか」と語り、クロアチア、チェコ、スペイン、トルコが同組のグループD、ベルギー、イタリア、アイルランド、スウェーデンが同居したグループEが最激戦区と予想した。

 優勝予想にも話題が及ぶと、「たいがい私の予想は当たらないが」と前置きしたうえで、「母国開催のフランスが本命ではないか。そのすぐ次にベルギーとイングランドが来る。台風の目はクロアチア。今回のサプライズ予想だと思う」ときっぱり。さらには「ドイツ、イタリア、スペインはあまり活躍できないのではないかと見ている。ドイツは世代交代があまり進んでおらず、もう少し時間がかかるだろう。スペインも同じ状況だ。イタリアは近年、活躍できていない。唯一可能性を感じるのはパリSGのベッラッティぐらいだ」と大胆に予想した。

 大会の注目選手については「必ずしもスター選手が活躍するのではなく、予想外の選手が出てくる若手の大会になるかもしれない」として「私ならではの注目選手」を発表した。フランス代表ではFWアントニー・マルシャル(マンチェスター・ユナイテッド)、FWディミトリ・パイェ(ウエスト・ハム)、そして「岡崎のチームメイトである守備的MFのカンテは素晴らしい選手。バイエルンのコマンもそうだ」と、MFエンゴロ・カンテ(レスター・シティ)、FWキングスレイ・コマン(バイエルン)に言及した。

 さらに「イングランドも若手を中心に組むのではないか」と予想し、FWハリー・ケイン(トッテナム)、FWジェイミー・バーディ(レスター・シティ)、FWダニエル・スターリッジ(リバプール)、MFラヒーム・スターリング(マンチェスター・シティ)の4人の名前を挙げ、「もしかしたらルーニーは出番がないかもしれない。私が監督だったら外して、今挙げた4人をスタートから出す。それはルーニーの才能ではなく、コンディションの問題だ」と、FWウェイン・ルーニー(マンチェスター・ユナイテッド)のポジションも安泰ではないと語った。

 フランス、イングランドとともに優勝候補に挙げたベルギーについては「フランスの隣国であり、12番目の選手であるサポーターがたくさん来ると思う。この世代に素晴らしい選手がそろっている。何としても優勝したいはずだ」と指摘。ダークホースとしたクロアチアからはMFルカ・モドリッチ(レアル・マドリー)、FWマリオ・マンジュキッチ(ユベントス)、MFイバン・ラキティッチ(バルセロナ)のほか、「この2人は覚えておいてほしい」と、インテルでDF長友佑都とチームメイトのMFマルセロ・ブロゾビッチとMFイバン・ペリシッチの名前を挙げた。

「あえてクリスティアーノ・ロナウドやルーニーではなく、みなさんがそんなに知らない選手の話がしたかった」と、人選の理由を語ったハリルホジッチ監督は「新しいストライカーが出てくるのではないか。ロナウド、ルーニー、メッシの次のスターがこの大会で頭角を現すのではないかと思っている。そういう魅力的な選手がたくさん出てきてほしい」と、新たなスターが誕生する大会となることに期待していた。

(取材・文 西山紘平)

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