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トライアウトから川崎F加入の大塚が価値ある2発「自分でもわからないくらい冷静に決められた」

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[5.25 ナビスコ杯B組第6節 川崎F 2-1 仙台 等々力]

 トライアウトから川崎フロンターレに加入したMF大塚翔平が移籍後初先発で早速結果を残した。

 G大阪の下部組織出身の大塚は、2009年に2学年下のFW宇佐美貴史らとともにトップチームに昇格した。しかし、思うように出場機会を得られず、12年に千葉に期限付き移籍し、翌年に完全移籍した。昨年は北九州に完全移籍したが、リーグ戦16試合で1得点に終わると、オフに戦力外通告を受けた。

 25歳に訪れた試練。その後、獲得のオファーは届かず、トライアウトに望みを託した。すると、川崎Fから一番最初に声がかかり練習に参加。そこで行った練習試合でアシストを連発し、入団を勝ち取った。しかし、川崎Fでもなかなか出場機会を得られず、ここまで3月27日のナビスコ杯第2節・福岡戦で途中出場した1試合の出場にとどまっていた。

 そして迎えたこの日、ついに移籍後初先発のチャンスが巡ってくると、開始から果敢にゴールに迫り、前半43分に歓喜の瞬間が訪れる。川崎Fは高い位置でボールを奪うとMF橋本晃司のパスをPA内で受けた大塚が右足シュート。「自分的にはトラップミスしたかなと思ったが、うまく持ちかえて狙い通りに決められた」。相手DFの股下を抜けたボールがゴール左隅に吸い込まれ、移籍後初ゴールを決めた。

 大塚のゴールで先制した川崎Fは後半4分、敵陣中央で縦パスを受けたMF三好康児がターンからスルーパスを送る。これに反応した大塚が完全に裏に抜け出し、飛び出した相手GKの位置をしっかり確認して右足ループを決め、スコアを2-0とした。2点目を挙げた大塚は「1点取っていた余裕があった。自分でもわからないくらい冷静に決められた」と振り返った。

 チームはその後1点を返されたが、2-1で逃げ切り勝利。グループリーグ最終戦を白星で飾り、首位に浮上した。試合後のヒーローインタビューで「ナビスコ杯はほんとうに残念な結果…」と敗退と勘違いし、笑いを誘った大塚は、「最高の気分。本当に苦しい試合だった。みんなで得た勝利。うれしいです」と喜んだ。

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