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香川のような「掘り出し物」を求めて…リバプールでも変わらぬクロップの補強戦略

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補強対象は高額のスター選手ではなく隠れた逸材か

 ユルゲン・クロップ監督は、かつてドルトムントで日本代表MF香川真司を獲得したときのような「掘り出し物」をリバプールでも探しているのかもしれない。イギリス『リバプール・エコー』が同監督の補強戦略を論じている。

 昨年夏まで7年間率いていたドルトムントを退任したクロップ監督は、解任されたブレンダン・ロジャース前監督の後任として昨年10月からリバプールを率いることになった。1年目は劇的に成績を改善させたというほどではなかったが、シーズン途中からの指揮だったことは考慮に入れる必要があるだろう。

 クロップ監督が本当の意味で自身のチームを築き上げていくのは、シーズン前の補強やプレシーズンのトレーニングに携わる2016-17シーズンからとなる。まずは、どういった新戦力を加えて自分の色を出していくのかが注目されるところだ。

 来季に向け、すでにリバプールは数人の新戦力を確保している。1月にはレッドスターからU-21セルビア代表MFマルコ・グルイッチの獲得が決定。半年はレンタルでレッドスターに残っており、夏からリバプールに加わることになる。

 続いて2月には、シャルケとの契約がこの夏に満了するDFジョエル・マティプが加入することが決定に至った。5月にはマインツの正GKを務めていたロリス・カリウスの獲得も決まっている。

 マティプやカリウスはブンデスリーガでの実績があるとはいえ、オファーを出していると報じられるウディネーゼMFピオトル・ジエリンスキも含め、いずれも世界的なスター選手というわけではない。『リバプール・エコー』も、「もしこの4人が昨夏加入すれば、ファンは疑問を抱いていただろう」と述べている。

 だが、それこそがクロップ監督のやり方だ。ドルトムントでも比較的無名な選手を獲得し、トップスターに育て上げた例として、バイエルンFWロベルト・レバンドフスキや今夏バイエルンへ移籍したDFマッツ・フンメルスも挙げられている。

 さらに、香川もクロップ監督が「発掘」した選手の一人だとして紹介。「クロップが2度獲得したほど優れた選手」「クロップがバーゲン価格で獲得した中でもおそらく最高」と称賛の言葉が述べられている。2010年にドルトムントに一度目に加入した当時、国内では活躍していたとはいえ国際的にはまだ知られていなかった香川だが、1年目からブンデスリーガ連覇に貢献するなどドイツで大きな飛躍を成し遂げた。獲得に要したのは育成補償金35万ユーロ(約4000万円)であり、ドルトムントにとってはまさに掘り出し物となった。

 ほかにもFWルーカス・バリオスやDFフェリペ・サンターナ、MFケビン・グロスクロイツ、GKミチェル・ランゲラクも、クロップ監督が見出した成功例だとされている。リバプール加入が決定した選手たちや、今後クロップ監督が新たに連れて来る選手たちも、これらの選手の例に続くことが期待されるところだ。

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