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選考会で再会の東福岡出身ルーキー中山、毎熊、三宅「懐かしかった」

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[7.16 大学選抜合同選考会 中央大G]

 今年1月に行われた全国高校選手権で日本一に輝いた東福岡高出身の選手たちが大学サッカーでも奮闘している。この日に行われた大学選抜合同選考会では、59名のうち東福岡高出身の選手は5名。全日本大学選抜ではMF松田天馬(鹿屋体育大3年)、U-19全日本大学選抜ではMF三宅海斗(鹿屋体育大1年)、FW中山天彦(近畿大1年)、FW毎熊晟矢(桃山学院大1年)、関東大学選抜ではDF小笠原佳祐(筑波大2年)がプレーした。

 なかでも、選手権を制覇した1年生の3人。九州でプレーする三宅と関西の中山、毎熊は、顔を合わせのは卒業式以来だったといい、選考会後には「めっちゃたのしかった!」「懐かしかった」と声を揃えた。

 関西や九州と離れ離れになるなか、それぞれの新天地と東福岡高は「全然違う」と言う。「東福岡のノリっすね。独特な男子校のノリ。やっぱりめっちゃたのしいっす」とかつての仲間との“再会”に終始笑顔だった。

 高校時代の3人。今年1月の高校選手権で三宅と毎熊は主力としてプレー。しかし中山は故障の影響で、3年間でプレーしたのはわずか半年。夏の総体ではメンバー外、選手権ではメンバー入りするも出番はなかった。それでも近畿大入学後に頭角を現し始めた中山は、今回の選考会まで這い上がってきた。「インハイも外れたし、選手権も出ていない。それでもせっかくこういう機会をもらえたので、結果を残したいと思います」。そんな思いで、選考会に挑んだ。

 U-19全日本大学選抜の1本目・全日本大学選抜戦では毎熊が2トップの右へ入り、三宅が2列目右でプレーした。三宅のパスから裏へ抜けるシーンもあった毎熊は「みんな個が強く、初めてのメンバーでなかなか合わない部分もあった。でも三宅と出たときは、やっぱり連動という部分はやりやすかった」と微笑む。

 2本目の関東大学選抜戦では中山が先発し、途中から三宅が出場。2トップの一角を務めた中山は「三宅が途中から出てきて、顔が上がった瞬間にすぐパスが出てきて、本当にそこはやりやすかった」とかつてのチームメイトからのパスに感謝しきりだった。

 とはいえ中山は東福岡高の一学年先輩でもある小笠原とマッチアップするなかで悔しさも感じた様子。先輩DFに弾かれ、なかなか前を向いてプレーできず。「小笠原さんとマッチアップだった。球際の部分で負けて、何もやらせてもらえなかったのが悔しいです」と言うとおりだ。

 実際に中山と対峙した小笠原は「自分が(東福岡に)いたときは(中山は)CBだったのであまりFWというイメージもなく。実際に今日やって、怖くはなく、脅威ではなかった。まだ時間がかかるなぁと思いました」と率直な感想を口にした。

「選手権に勝っている代なので、(後輩に)負けたくないという思いは半分ありましたし、天馬くんにはリスペクトの気持ちがありました。でも今日は“ヒガシ”はあまり考えず、筑波のメンツに負けないようにというのが一番でしたね」。大学サッカーで2年目を迎えている先輩は、ルーキーたちとはまた違った思いをもって、選考会に臨んでいたようだ。

 選考会を終えて、毎熊が「ヒガシの選手が選抜に多く集まれれば、それがベストかな」と言うと、呼応するように中山も「全日本がヒガシで埋め尽くされるくらい、頑張りたいです!」と意気込んだ。東福岡で日本一を経験した世代が勢いそのままに大学サッカー界を盛り上げていく。

(取材・文 片岡涼)

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