beacon

[MOM1907]習志野DF井上晃史郎(3年)_「凄い成長した」右SBが攻守で躍動

このエントリーをはてなブックマークに追加

習志野高の右SB井上晃史郎

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.8 全国高校選手権千葉県予選決勝T1回戦 習志野高 2-1(延長)船橋北高 習志野高G]

 延長戦の末に船橋北高を振り切って初戦突破を果たした習志野高。特に印象的だったのが右SB井上晃史郎(3年)だった。攻守のバランスを取りながらも「どの試合も自分が打開してやろうとか、得点に絡もうとかいう気持ちが凄くある」というDFは仕掛けた際には確実にクロスを上げきったり、CKを獲得。先制点、決勝点はいずれも井上が獲得したCKからゴールが生まれたものだった。そして2-1で迎えた延長戦後半には苦しい時間帯で走り切り、終盤に3連続で相手の攻撃を跳ね返すなど最後まで存在感。間違いなく、勝利の立て役者だった。

 以前は“突貫小僧”のようなSBだったというが、8月のオランダ遠征などを経て砂金伸監督が「凄い成長したんですよ」と認める存在に。「1対1で負けなくなった。攻撃参加のタイミングも凄い良くなって、今までは上がって上げるだけだったけれど、クロスも良くなった。収める所は収めるし、その中で守備が自分の第一の仕事だと、言っていないですけどプレーを見ていて分かる。あと、今日も仲間にダメなところを指摘していた」(砂金監督)。

 本人は身体が大きくないために、他の選手たちよりも先に反応することを意識。加えて常に自分が何をすべきかを冷静に考え続けてきた。それはこの日も同じ。「自分、この1対1とか、スコアが1-1の場面で次どうしようかとか、考えながらやっていました。凄い難しい試合だったんですけど、(個人、チームが)やるべきことをやれば勝てると思っていました」。その中で井上は対面の選手に負けないプレー。自分のサイドからピンチを招いたシーンもあったが、「攻撃面では1対1で剥がしていくとか。守備面ではカバーリングとか守備での1対1絶対に剥がされないという気持ちがある」というDFは差を生み出すプレーでその活躍を勝利に結びつけた。

 小学生時代は全国3位だった世代の柏レイソルU-12に所属。中学は地元・袖ケ浦市の根形中でプレーしていたが、「高校になったらもう一回強豪でやりたいと思った。(また習志野は)オフの面でも私生活からしっかりやるとか、オンはみんなにチャンスがあったり、それがいいところ」という理由で習志野へ進学した。そのDFにとって、全国は絶対に出場したいと考えている舞台だ。「目標はもちろん全国に行くこと。全国行けば人生が変わると、砂金先生、砂金先生の教え子の(GKコーチの宮崎)元暉さんも言ってくれているので、人生変えてみようかなと思っています」。決意を持ってプレーするSBが習志野にひとつでも多くの白星、そして全国切符をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2016

TOP