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[MOM1938]青森山田FW鳴海彰人(3年)_「7kg減」ダイエット成功のストライカーが、地を走って空を飛んでの2得点

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前半2分、青森山田高FW鳴海彰人が右足で先制ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.6 全国高校選手権青森県予選決勝 青森山田高 4-0 八戸学院光星高 青森県総合運動公園陸上競技場]

 調子が良い状態を「体が軽い」と表現することは多いので、そういう例え話だと思っていたら違っていた。11月6日、第95回高校サッカー選手権大会青森県予選決勝戦で2得点を挙げた青森山田高FW鳴海彰人は体重を「7kg落とした」ことを明かしてくれた。

 切っ掛けは8月末、かかとにヒビが入る故障を負ったことだった。全治まで1か月。無念の離脱を余儀なくされる中で、後悔する気持ちもあった。当時の体重は77kg。「自分の身長に合わない体重になっていた」上に、負傷で動けなくなることを思えば自然と太ってしまうのは確実。そこで「食事から見直して」、体重増を抑止すると同時にダイエットに取り組んだと言う。災い転じて福となすべく、肉体改造に励んだ。

 現在の体重は70kg。ぜい肉をそぎ落とした結果、「ジャンプしても軽いし、走っても軽い」状態になり、元より「跳躍力とスピードが武器」と語るストライカーにとっては、大きな力となった。軽くなった分だけ弱くなっていては意味もないが、粘り強く踏ん張ってから決めた1点目の動きを見る限り、その心配もなさそうだ。激しいぶつかり合いで潰れ役になることもいとわない献身的姿勢も健在である。決勝の八戸学院光星高戦で決めた先制点はスピードで裏へと抜け出してのシュートであり、2点目は自慢の跳躍力からのヘディングシュート。まさに軽くなった賜物のような得点だった。

 試合前、黒田剛監督から「美味しいところを食ってこい」と、ゴールを狙うことを厳命されていた。この日の2得点はまさに、ダイエットの成果によって「美味しく」いただいたものだった。

(取材・文 川端暁彦)
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