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[MOM2026]前橋育英DF角田涼太朗(2年)_8強に導く決勝弾!次戦は出場停止も「仲間を信じる」

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守備能力だけでなくフィードの能力も高いDF角田涼太朗

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 前橋育英高1-0遠野高 フクアリ]

 前橋育英高(群馬)がつかんだ最初のチャンスが、この試合唯一の得点シーンとなった。

 立ち上がり2分、MF高沢颯(3年)の右CKがニアサイドでこぼれたところを、ファーサイドにいたDF角田涼太朗(2年)が素早く反応してゴールにねじ込んだ。「こぼれてくるかなと思って中に寄ったら、そこにちょうどこぼれてきた。ゴールも空いていて、これは自分が決めないといけないなと思ったので、落ち着いてできました」。角田は選手権初ゴールを冷静に振り返った。

 連戦の疲れからボールの出どころへの寄せが甘くなると、CBの間や背後をとられてあわや失点というシーンを招いてしまった。「今日は(DFの)裏をとられる場面もあったし、前線からの守備もよくなかった。相手が上手かったら決められているシュートが何本かあった」。それでも2年生で組む4バックは遠野高(岩手)を完封し、今大会での無失点を継続している。「最小失点で優勝したいという目標を立てたので、いまのところ達成できている」。山田耕介監督からカバーリング能力を高く評価されるCBは、胸を張った。

 攻撃の起点としても高い能力を発揮する角田。左足からの性格なフィードは、前橋育英の武器のひとつだ。背番号3が自陣から出したロングボールで、スピードのあるFW飯島陸(2年)が遠野DFの背後へ抜け出し、一気に敵陣に迫るシーンも見られた。

 しかし、得点から6分後、角田に思わぬ落とし穴が待っていた。「気をつけろ」と山田監督からも促されていたイエローカードをもらってしまう。「忘れてたので、我に返って『やばいな』と思って……。結構ショックでした」。5日の準々決勝・滝川二高(兵庫)戦は、累積で出場停止となる。攻守両面で高い貢献度を誇る角田の欠場に、指揮官は「あいつがいないときつい」と思わず本音をもらした。

 小学校6年生のときに埼玉スタジアム2002でプレーした経験があるという角田は「興奮したので、あの興奮をもう一度味わいたい」と思いを馳せる。浦和レッズJrユース出身ということもあって「レッズのホームでやれるので。準決、決勝と勝てば注目される」と想いは強い。あとひとつ勝てば、憧れの舞台が待っている。「埼スタは本当に行きたいので、次は仲間を信じるしかできないですけど、みんなやってくれると思います」。2年生CBは、仲間へ想いを託した。

(取材・文 奥山典幸)

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