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ドルトムントCEO、UEFA批判のトゥヘル監督に戸惑い

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トゥヘル監督の発言についてドルトムントCEOは戸惑いの表情を浮かべたという

 先月11日に行われる予定だったUEFAチャンピオンズリーグ戦直前、ドルトムントのチームバスが爆破攻撃に遭い、試合は翌日に開催されることになった。独自でその決断を下したとし、欧州サッカー連盟(UEFA)を激しく批判したトーマス・トゥヘル監督だが、その反応にハンス・ヨアヒム・バツケCEOは戸惑いを覚えたという。

 トゥヘル監督はモナコ戦後、試合が事件翌日に“延期”になったことについて「我々はまったく意見することができなかった。UEFAがスイスで決めたんだ。気分は良くないし、ただ無力感だけを覚えた」と怒りのコメントを残している。だが、そのUEFAの決断はドルトムント首脳陣側との協議に基づいて下されたものだった。その判断について問われたバツケCEOは、地元紙『レビア・シュポルト』でこのように話した。

「後から評価するのは簡単なものだよ。その時は3つの選択肢しかなかった。翌日にプレーするのか、試合を放棄し、0-3としての記録を受け入れるのか、それとも自らコンペティションから撤退するのか。後の2つの選択肢は検討したが、みんなの意見を聞かずに決めるには重すぎる決断だと考えた」

「それにそうしてほしいと誰も伝えてこなかった。翌日にもね。大会からの撤退は翌朝でも可能だった。だからこそその水曜日の午前中、私はチームと話し、彼らがプレーできないと思えば、それを午後までに伝えてほしいと言ったんだ。もちろん、監督にも同じように。それは当然のこと。しかし、そのような事態には一度も向かい合うことはなかった」

 トゥヘル監督やプレーヤーたちがその翌日開催を批判したことに対し、バツケCEOは戸惑ったかと聞かれると、「部分的に」と返答。さらにこの件で自身と監督との間で意見の食い違いがあったことを、「それは確かだ、イエス」と認めている。

 トゥヘル監督の今夏以降の去就は今シーズン終了後に決められると言われてきた。バツケCEOはこのインタビューで、監督に対する評価材料について「最終順位表は成績のようなもの。もちろん3位は4位より良い成績だ」「4位となれば、今シーズンの目標を達成できなかったことを意味する」とも語っている。今後の監督との話し合いでは重視するのは何かについては「公に語ることではない」としつつ、「分析的な話し合いは通常、スポーツ面に加え、戦略、コミュニケーション、信頼などに関するものだろう」とも話している。

 なおこのインタビューは6日、3位の座を懸けたホッフェンハイムとのホームマッチが行われた日に掲載された。トゥヘル監督は2-1で勝利を収めた試合後、その件について「まったく考えることはなかった。私にはスポーツ部門、スタッフに対する責任があり、我々は集中を維持していかなければならない。だから今日のタスクは、それ(インタビュー)にエネルギーを注ぎ込まないこと」とコメントしている。この日、バツケCEOとトゥヘル監督との間の「コミュニケーション」「信頼」は不足していることがより明らかになったと言えるかもしれない。

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