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【特集】09年J1ニューフェイスの決意(第14回、大分・住田貴彦)

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 「山陰の超特急」が関門海峡を渡り、大分の星になる。境高(鳥取)から大分トリニータに新加入したFW住田貴彦(17)は30日の新体制会見で「1年目なのでがむしゃらにプレーして、早く試合に出られるように頑張りたい」と抱負を語った。

 高卒ルーキーながら、戦力としての期待も大きい。チームは昨季、“カメナチオ”と呼ばれる堅守でリーグ最少の24失点に抑え、リーグ4位と躍進。ナビスコ杯でも九州勢初となるタイトルを獲得した。しかし、得点はリーグ34試合で1試合平均1点以下の33得点。新潟の32得点に次ぐワースト2位の数字だった。

 得点力アップは今季の課題だが、目立った補強はしなかった。新加入は住田のほか、MF東慶悟(18=大分U-18)、DF坪内秀介(25)の計3人。FW陣では住田しかいないのが現状だ。原靖強化部長が「大分に不足している得点力を補う意味でも魅力の選手」と期待を寄せるのも無理はない。

 爆発的なスピードから「山陰の超特急」と呼ばれるが、ポストプレーも巧みで、裏に抜ける動きも上手い。FWだけでなく、攻撃的なポジションなら中盤でもプレーできる器用さもある。

 境高では1年から背番号9を任され、3年連続で全国選手権に出場した。2年時には室蘭大谷との1回戦で圧倒的なスピード、力強い突破で相手を翻弄。試合は惜しくも0-0からPK戦で敗れたが、「住田」の名前を全国に知らしめた。3年で迎えた今年の全国選手権は2回戦で藤枝東に0-4の完敗。2年連続初戦敗退となり、個人的にも3年間で4試合無得点という結果に終わった。

 その悔しさを晴らす舞台がJリーグだ。同学年のFWでは鹿児島城西から鹿島に入団したFW大迫勇也(18)に注目が集まるが、負けるつもりはない。「今は鹿島の大迫君の方が有名だけど、チームに貢献することで将来は代表に選ばれ、大迫君を追い抜いて、ビッグな選手になりたい」とライバル視した。目標の選手がFWアンリ(バルセロナ)というのも大迫と同じ。高校時代の実績では負けていても、プロの世界では同じスタートラインに立っている。大分のシャムスカ監督は若手を積極的に起用することでも知られる。“和製アンリ”と呼ばれるのが、大迫か、住田か。それはまだ誰にも分からない。

<写真>境高から大分に入団したFW住田貴彦


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