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札幌が19歳古田の2発などで快勝、千葉は今季ホーム初黒星

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[7.18 J2第18節 千葉0-3札幌 フクアリ]

 J2第18節は18日、各地で5試合を行い、フクダ電子アリーナではジェフユナイテッド千葉とコンサドーレ札幌が対戦。札幌は前半5分、MF古田寛幸のゴールで先制すると、後半44分にも古田が決定的な2点目を奪い、ロスタイムにもMF岡本賢明が加点し、3-0で快勝した。千葉は今季ホーム9試合目で初黒星。札幌はこれで9試合負けなし(3勝6分)となった。

 千葉は4-3-3のシステムで、GK櫛野亮、4バックは右から青木良太、マーク・ミリガン、茶野隆行、アレックスと並んだ。中盤は中後雅喜をアンカーに置き、前めに佐藤勇人と工藤浩平。前線は右に深井正樹、左に倉田秋、中央にネットが入る3トップだった。アムカル・ペルミ(ロシア)と移籍交渉中のFW巻誠一郎はベンチ外だった。
 札幌は4-2-3-1で、GK高原寿康、4バックは右から藤田征也、藤山竜仁、石川直樹、西嶋弘之。中盤は芳賀博信と上里一将のダブルボランチで、2列目に右から古田寛幸、宮澤裕樹、内村圭宏と入り、キリノが1トップを務めた。

 試合はアウェーの札幌が幸先良く先制点を奪い、千葉の出はなをくじいた。前半5分、藤田の左CKをクリアされたセカンドボールを古田がPA外から右足でミドルシュート。これがゴール前の密集をきれいに抜け、ゴールネットに突き刺さった。

 千葉のハイプレッシャーにも落ち着いて対応する札幌は球際でも強さを見せ、豊富な運動量でセカンドボールも拾う。いい位置でボールを奪ってはキリノらスピードのある前線の選手を走らせ、鋭いカウンターでチャンスメイク。千葉のやりたいサッカーのお株を奪うように札幌が試合を優勢に進めた。

 しかし、このいい時間帯で2点目を奪うことができず、徐々に千葉に押し込まれる。千葉は前半27分、CKのセカンドボールを拾った中後が右サイドをドリブルで突破し、ゴール前にクロス。こぼれ球を拾った倉田が決定的なシュートを放つも、わずかにゴール右にそれた。その1分後にも倉田が強引なドリブル突破で自らPA内に切れ込み、そのまま左足で狙ったが、ゴールの枠を捉えることはできなかった。

 前半の終盤は千葉の猛攻にさらされた札幌だが、ゴール前でしっかり跳ね返し、得点を許さない。千葉は前半ロスタイム、左サイドからのアレックスのアーリークロスを受けたネットが強烈な左足ボレーを放つが、GK高原が好セーブ。札幌が1点のリードを守ったまま前半を折り返した。

 後半に入っても千葉は札幌の組織的で粘り強い守備を攻めあぐねる。札幌は後半15分、内村に代えて清水から加入したばかりのMF高木純平を投入。千葉も同18分、深井に代えてMF谷澤達也をピッチに送り込み、最初のカードを切った。

 なんとか局面を打開したい千葉だが、中盤ではパスを回せてもくさびの縦パスがことごとくインターセプトに遭い、厚みのある攻撃ができない。ネットや倉田の個人技も札幌の体を張ったディフェンスに阻まれ、チャンスをつくるまでにも至らなかった。

 千葉は後半26分、工藤に代えてMF伊藤大介を投入。順天堂大から今季加入したルーキーがJデビューを果たすと、同34分には中後に代わってFW青木孝太が入る。青木孝とネットが2トップを組む4-4-2にシステムを変え、最後の反撃に出た。

 後半37分、PAすぐ外、右45度の絶好の位置でFKを獲得すると、伊藤が右足で直接狙ったが、ゴール右へ。同43分には谷澤の右クロスを受けた青木孝が決定的な形を迎えたが、右足のシュートは浮かしてしまう。

 後半は守勢に回る時間が長かった札幌だが、粘り強く我慢し、ワンチャンスをきっちり生かした。後半44分、右サイドでボールを持った古田がドリブルで切れ込み、左足を振り抜くと、これがきれいにゴールネットに吸い込まれ、ダメ押しの2点目。さらに後半ロスタイムにも途中出場のMF岡本賢明がゴールを決め、札幌が3-0の快勝で再開初戦を白星で飾った。

(取材・文 西山紘平)

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