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山形はJ1昇格3年目で初の開幕黒星。GK植草が古巣相手に初の開幕スタメン

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[3.5 J1第1節 川崎F2-0山形 等々力]

 モンテディオ山形はシュート3本に終わり0-2敗戦。J1昇格3年目で初めて開幕戦黒星を喫した。前半途中までは効果的なサイドチェンジやクロスで川崎Fを困惑させていただけに、小林伸二監督は「思ったよりも立ち上がりは良かったという形で、30分すぎにミスが目立ってきたところでリズムが変わったなと。あのへんがちょっともったいなかった。もう少し積極的なプレーで良かった」と嘆いた。

 この男にとっては、いっそう悔しい試合となった。山形のスタメンGKは、昨年までのレギュラー清水健太ではなく、2008年まで川崎Fに在籍(2010年までレンタル、今年から完全移籍)した植草裕樹が務めた。自身初の開幕スタメン。「スタメンは試合前日のセットプレー練習のとき、初めて分かった。それまで、紅白戦もサブ組だったので。サプライスです」と本人も驚いた起用だった。

 それでも、動じることはなかった。「伸さん(小林監督)が見てくれていたんだなと思った。いままでシミケンさんが出て、伸さんも強い気持ちでGKを代えたと思う。期待に応えたいと思った。古巣だったのでこのピッチに立つのはいいなと思っていましたが、緊張はなかったですから」と植草。しかし2失点を喫した。失点シーンはいずれもDFラインを完全に破られて1対1となったもので、GKのせいにすることはできないが、1失点目の矢島卓郎のシュートは股間を抜かれた。

 しかし、下を向いていない。この経験を今後に生かす意気込みだ。「やっぱり練習で積み上げていて、試合の経験がほしいと常々思っていた。山形ではGKは一人しか出られない中、開幕に出られた。その経験を良い形で活かしたい。練習はしてきたので自信はある。次があれば、しっかりいい準備をして臨み結果を残したい」と植草。清水という安定感あるGKが控える中、サバイバルは激しいが、この悔しさを必ず、さらなる成長の肥やしにする。

[写真]開幕スタメンのGK植草

(取材・文 近藤安弘)

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