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史上初の天皇杯4強も…熊本MF上村周平「歴史を塗り替えたっていうより悔しさのほうが強い」

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ロアッソ熊本のボランチMF上村周平

[10.8 天皇杯準決勝 熊本 0-4 柏 三協F柏]

 サガン鳥栖、FC東京、ヴィッセル神戸というJ1勢を次々と破り、天皇杯におけるクラブの最高成績をベスト16、ベスト8、ベスト4と塗り替えてきたロアッソ熊本だったが、柏レイソルに0-4で敗れた。

「ここまで来たらやっぱり決勝に行きたかった。歴史を塗り替えたっていうよりは、今は悔しさのほうが強いです」。中学年代から熊本一筋でプレーするMF上村周平は、準決勝での敗退を悔やむ。
 
 試合は、柏が得意とするいい守備からのカウンターで2失点を許した。「自分たちが攻撃しながらも、ちょっとしたミスを最後のゴール前まで持っていくのは、J2で感じることはできないようなスピードであったり、パワーはあった」とボランチの上村は体感したという。

「縦パスをつけても1本目は入るんですけど、その後の球際であったりは強いなと思いました。五分五分のボールを全部相手が持っていくというか、自分たちが五分五分のボールで勝てない状況は続いたと思います」。柏の守備を前に、熊本が描くパスサッカーを体現できなった。

 準決勝で対戦した柏とは、少なからぬ縁がある。2016年4月、熊本地震で被災した際には、ホームのうまかな・よかなスタジアムでの開催が困難となった。他チームのスタジアムでホームゲームを代替開催することになったのだが、最初の代替会場が日立柏サッカー場(現三協フロンテア柏スタジアム)だった。2016年5月22日に行われた水戸ホーリーホックとの一戦でも先発し、この日もスタメンを飾った上村は、「柏レイソルサポーターの人たちも熊本を応援してくれていた」と7年前を回想するも、この日は敵チームとして黄色いサポーターは熊本を迎えた。

 黄色いサポーターの圧を肌で感じたという上村だったが、前売りで完売となったスタジアムを盛り上げたという意味で、赤いサポーターも負けてはいなかった。上村は「相手のサポーターに負けないぐらいの声を出してくれてました」と感謝を並べる。それでも、「やっぱり勝って熊本に帰りたかった」と唇をかんだ。

(取材・文 奥山典幸)
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奥山典幸
Text by 奥山典幸

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