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[第18回フットサル全日本選手権]PK戦の末、名古屋がフウガに借りを返し、シーズン無敗で初戴冠!!

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[3.17 フットサル全日本選手権 決勝 名古屋4-4(PK4-3)フウガすみだ 代々木]

 フットサル全日本選手権は17日に決勝を行い、第15回大会の覇者である関東1部リーグのフウガすみだが、Fリーグ6連覇中の名古屋オーシャンズと対戦した。4年前と同じカードになった決勝は、常に地域リーグのフウガすみだが先手を取る展開に。しかし、名古屋も譲らず、前後半を終えても3-3のまま、試合は延長戦に突入する。延長前半4分にFP吉川智貴のゴールで、ついに名古屋がリードする。しかし、延長後半残り4秒、フウガすみだのFP太見寿人が同点ゴールを決めて、4-4でPK戦に入った。ともに1人目が外して迎えた5人目、名古屋はFPリカルジーニョがシュートを決める。しかし、フウガすみだのFP諸江剣語のシュートは、GK川原永光に止められた。この結果、4-3で名古屋が全日本王者に輝いている。

 フウガすみだの先発はGK大黒章太郎、FPが金川武司、諸江剣語、宮崎暁、太見寿人。名古屋のスタートはGK川原永光、FP北原亘、リカルジーニョ、逸見勝利ラファエル、森岡薫。また、2試合ベンチ入り禁止だったアジウ監督もベンチに戻って来た。
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 立ち上がり、4年前の雪辱に燃える名古屋がボールを保持する。自陣で守ってからの速攻を狙うフウガすみだは、2分にFP宮崎暁がファーストシュートを放つが、GK川原永光に防がれる。その直後には名古屋もFP逸見勝利ラファエルが強烈なシュートを放ったが、GK大黒章太郎がセーブを見せる。

 前半4分にはFP北原亘が遠目からシュート。ゴール左下隅に飛んだシュートは、GK大黒が弾く。さらにCKからゴール前に混戦ができると、名古屋のシュートが右ポストを叩く。徐々に圧力を強める名古屋に対し、フウガが先制点を挙げる。GK大黒のスローを受けたFP岡山和馬が縦パスを受けると、トラップでボールを浮かせてDFを抜きシュート。ボールはGK川原に当たったが、ゴールに吸い込まれていき、1-0とフウガすみだが先制点を挙げた。

 地域リーグのクラブ相手に決勝での連敗が許されない名古屋も、前半6分にFPラファエル・サカイが、一瞬の動きでマークを外して、強烈なシュートを放つ。右ポストの内側を叩いたボールは、ゴールに決まり、試合は1-1の振り出しに戻った。同8分にも名古屋は右サイドからFP渡邉知晃がシュート。ボールはDFに当たり、コースが変わったが、GK大黒が反応した。

 フウガすみだも前半9分、高い位置でボールを奪ったFP太見寿人からFP金川武司にパスが出る。金川がシュートを放ったが、GK川原がセーブ。直後の10分には名古屋が3対2の数的優位でカウンターに出る。中央の森岡が、右に渡邊、左に逸見のいる状況でドリブル。逸見のシュートはGK大黒がストップする。

 前半10分には、フウガすみだが右サイドでキックインを得る。逆サイドでボールを受けたFP半田徹也がシュートを打つと、これが決まって2-1とフウウガすみだが再びリードした。同12分にもフウガすみだは、金川が太見との連係からシュートを打つ。GK川原が弾いたボールに太見が詰めたが、直前で名古屋のDFがクリアーした。

 何度かミドルシュートを見せていたリカルジーニョは、前半15分にピッチ中央でボールを持ち、左サイドのFP吉川智貴にパス。フリーになっていた吉川が左足のダイレクトでシュートを突き刺し、試合は2-2の振り出しに戻っている。その後も互角の試合展開は続き、2-2で前半を折り返した。

 後半の立ち上がりは互いに攻守の切り替えが早い、互角の試合が展開される。後半4分には左サイドライン際を縦に突破した森岡が強烈なシュートを放ったが、ボールは左サイドネットに外れた。同6分には、GK川原がPA外に出てボールをクリアーすると、フウガすみだは素早いキックインからゴールを狙う。しかし、FP大森茂晴のシュートは枠を捉えられなかった。

 攻め続けるフウガすみだは、後半8分、左サイドで太見が浮き球のパスを宮崎に出す。宮崎が折り返したボールを太見がシュートすると、これが決まって3-2とフウガすみだが3度目のリードを奪った。名古屋もすぐに反撃に出る。高い位置でボールを奪った森岡が、GK大黒を抜いてシュートしたが、体勢を崩して打った一撃は大きくクロスバーを越えて行った。

 後半10分、フウガすみだに圧力を掛ける名古屋は、森岡のシュートをファーポストの前でFP北原亘が詰めたが、ボールはポストを叩く。その後も、リカルジーニョ、森岡が強烈なシュートを放つが、これもGK大黒に防がれる。同12分には攻め込む名古屋の裏に、ボールが落ちる。これに宮崎が反応し、GK川原と1対1になるかと思われた。しかし、シュートモーションに入る直前に、吉川がファウルで宮崎を止めた。このFKを太見が直接狙ったが、ゴールラインにカバーに入っていた名古屋のDFがブロックした。

 後半15分、名古屋はFKを得ると、リカルジーニョが左サイドに展開する。森岡が縦に仕掛けてゴール前に折り返す。フウガすみだの守備もそろっていたが、ラファエル・サカイが一瞬早くボールに触り、ゴールにねじ込んだ。その後も名古屋の猛攻は続く。同19分には森岡との連係からリカルジーニョがシュートを打ったが、枠を捉えることはできない。

 残り52秒、左サイドから森岡が強烈なシュートを放ったが、またも右ポストを叩く。残り10秒、名古屋はCKを得ると、タイムアウトを取る。リカルジーニョが強烈なシュートを放ったが、FP神尾佳祐がブロックして得点を許さなかった。3-3のまま試合は10分ハーフの延長戦にもつれこんだ。

 延長前半4分、ついに名古屋がリードを奪う。PA外にこぼれたボールを吉川が右足で叩き込み、名古屋が4-3とリードして延長前半を折り返した。延長後半1分にはフウガすみだのFP内田淳二が反転してからのシュートを放ったが、GK川原が弾き出す。残り1分30秒、フウガすみだは最後尾でミスが起き、森岡に決定機が訪れる。しかし、GK大黒と諸江が懸命な守備を見せて、追加点を許さなかった。そして残り4秒、フウガすみだはキックインからゴール前の太見が起死回生の同点ゴールを決める。このまま試合は4-4で終了し、PK戦にもつれこんだ。

 PK戦を前に、フウガすみだはGKを揚石創に変更。揚石は1本目にラファエル・サカイのシュートを止めたが、川原も大森のシュートをストップ。互いに3人が決めて迎えた5人目、リカルジーニョが決めたのに対し、フウガすみだは諸江のシュートが川原に止められる。PK戦を4-3で制した名古屋が、初めて全日本選手権制覇を遂げ、1シーズン無敗の金字塔を打ち立てた。
(取材・文 河合拓)
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