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最後のPKを蹴ったフウガFP諸江「またイチからやっていきたい」

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 日本一に、あと一歩届かなかった。17日に行われた全日本フットサル選手権の決勝で、フウガすみだは名古屋オーシャンズを相手に、常に先手を取る試合を見せたが、3-3で延長戦に突入。延長では、先にゴールを決められたが、残り4秒で同点に追いつき、試合はPK戦に突入した。両チーム、1人目が外したが、その後は3人が決めた。先攻の名古屋は5人目のFPリカルジーニョがゴールを決めたのに対し、フウガすみだの5人目を務めたFP諸江剣語のシュートは、日本代表GK川原永光に止められた。試合中に、素晴らしいパフォーマンスを見せていた諸江だが、PK失敗の責任を重く受け止めていた。

―良い試合でした。
「ラスト5秒(からのキックイン)で、可能性が少ない中、みんなが逆転してくれて。嬉しさのあまり涙が出てしまいました」

―PKは自信を持って臨めた?
「PKは、うちは練習から決めている確率が高い選手が試合でも蹴ることになっているので、それがあの順番で僕が5番だったのですが…。メンタル的にも負けたも同然というメンタルでした。それほどプレッシャーは感じなかったのですが、ああいう形になったことが残念です」

―試合自体はどうでしたか?
「フウガのやりたかった形で試合を運べていました。失点も、3失点、4失点は想定内でした。そういう意味ではうちらの試合ができたかなと思います」

―常に先手を取る展開は?
「そこはちょっと想定外でした。正直、オーシャンアリーナ杯でも0-3にされて、そこから2-3にしたんです。3点取られても、まだいけるっていう気持ちでやろうと思っていました。ああいう形で先に点を取れたことは、嬉しい誤算でした」

―延長まで、ずっと先攻しましたね。
「そうですね。ただ、勝っているときも、正直、失点するぞと言い聞かせていましたし、監督にも『失点はするから』と言われていたので、常に点を取る意識は持ってプレーしていました」

―名古屋の前からのプレスは、レベルが違うが?
「個の圧力が違いますし、そこの部分でなかなか勝てませんでした。前のラインを上手く回避できなかったことで、かなり苦しい試合運びになりましたが、うまくいかなくてもみんなで我慢して、耐えようということでまとまれたので、そこは良かったです」

―あらためて厳しい結果になったが?
「正直、今は悔しい気持ちで。自分がPKを外したことで負けてしまったことで残念ですが、監督から最後『まだ何も始まっていない。これから、また強いチームつくって、イチからやればいいじゃない』と話してくれて、ちょっと救われました」

―すぐに、仲間が駆け寄ってくれましたね。
「もう本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだったのですが、仲間が『全然、お前のせいじゃない』って言ってくれて。『ここまで来ることができたのも、剣語がいてくれたから』って言ってくれて……」

―実際に、後方からのドリブルは名古屋にも脅威になっていました。
「そこは自分のやりたいプレーの一つです。今までは最終ラインで(相手に)引っかけられることが少なかったのですが、今日はそこで引っかけられて大ピンチも招きました。抜ける部分は抜けていましたが、僕は安定感のあるプレーを求めているので、そういう意味ではまだまだだと思いました。相手が名古屋相手であっても、8割、9割の確率で成功できるように。取られたとしても、入れ替わられない取られ方をしないといけない。今日は自分のミスでピンチを招いていたので、そこをもっと磨くために、もっと頑張っていこうと思います。あの舞台でそういうプレーができないと、僕がいる意味がないので、そこをもっと磨いて、またチャレンジしたいと思います」

―初めてこの選手権に出たときは、自由奔放なドリブラーだったのが、堅実なフィクソに変貌を遂げましたね。
「ポジションもありますし、チームのやり方、監督の求めることということで、自分の中でプレースタイルを変えて。ただ、ドリブルをゼロにするのではなくて、周りが楽になるドリブルを心がけてやっています」

―浦安時代は出場機会も少なく苦しんでいたが?
「そうですね。フィクソの深津選手が浦安に移籍して、フィクソ不足になったときに『ちょっと剣語やってくれないか』ということで、フィクソをやるようになったんですけど、うまくハマって、僕も自信を持ってできていましたし、フィクソでもただ守るフィクソじゃなくて、攻撃的なフィクソを求めてもらっているので、そこは意識してやっています」

―また、ここからですね。
「そうですね。少しゆっくり休んでから、またイチからやっていきたいなと思います」

―Fリーグでプレーを見たいという人も出て来ると思うが?
「今の気持ちとしては、他のチームでやることは全く考えていません。もちろんFリーグでプレーしたい気持ちもありますが、フウガっていうチームでFリーグでプレーしたいという気持ちがすごく強いですし、それは正直、揺るがないと思います」
(取材・文 河合拓)
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