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元フットサル・ブラジル代表のマルキーニョ(名古屋所属)が現役引退を表明

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[3.16 PC準々決勝 名古屋3-7大分 代々木第一体育館]

 バサジィ大分に3-7と敗れた試合後のピッチで、小柄な背番号2が大粒の涙を流していた。FPマルキーニョ、37歳。ブラジル代表として、08年にブラジルで開催されたフットサル・ワールドカップを優勝。スペインのインテルでも国内リーグ、国王杯、UEFAフットサルカップなど、獲得し得るタイトルをすべて獲りつくしたフットサル界のレジェンドだ。

 今シーズンよりACLフットサルクラブ世界選手権の初優勝した名古屋オーシャンズに加入し、オーシャンアリーナカップ、Fリーグの優勝に貢献。4冠を目指して臨んだ今大会では、準々決勝で大分に敗れた。それでも、劣勢の後半開始直後に得点を挙げるなど、随所に次元の違うプレーを見せていた。それだけに、今大会を最後に引退することは惜しまれる。

「引退するという話は、本当です。非常に難しい決断でしたし、家族とも話し合いました。今はさみしい気持ちです。20年もやってきた仕事なので、そこから離れるのは非常につらい。でも、08年に母国で開催されたワールドカップに優勝するなど、非常にポジティブなキャリアを送ることができたと思っています。名古屋オーシャンズを含め、スペインのインテルなど、歴史に名の残るビッグクラブでプレーすることができたことを誇りに思います」と、語っている。

 引退するか、もう1年現役としてプレーするか、悩んだ上での決断だったという。最終的に引退を決断した理由は、すでに体がボロボロになっていたからだと、マルキーニョは説明する。

「引退の理由は、単に体の疲労の蓄積ですよ。痛みだらけで、日常生活を送るうえでも、負荷がかかっています。今日も走れていましたし、コンディションは悪くはないのですが、もう1年プレーするとなると体がもたないのではないかと判断しました。それに痛みが気になると、本来のプレーができません。それが一番悔しいですね。痛みを感じて自分のプレーを出し切れなくなった。これが最大の理由です」

 一瞬の加速、瞬間的なボールさばきで、相手を簡単にかわすプレーが身上だった。それゆえに、敏感に自身の動きの衰えを感じ取っていた。まだFリーグでは圧倒的な存在だが「これがベストなタイミング」と引退を決意した。

 最後に日本のフットサルファン、関係者にメッセージを送ってくれた。

「日本フットサル界は、現在世界王者になっているスペインの15年前と同じ道を歩んでいると思います。レベルアップしていくために必要なリーグ、スポンサー、外国人選手といった環境が整っています。そろそろ日本は『学ぶとき』から『存在を見せつけるとき』に入っていくと思います。世界に誇れる組織、環境は整っているのですから、自信を持って、自分たちの力を信じて、これからもフットサルに取り組んでいってください。ファンのみなさんには、感謝したい。最初から最後まで応援してくれて、本当にありがとうございました」

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