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[選手権]京都橘に“恵みの雪”、小屋松「理想は理想」

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 “恵みの雪”になるか。降雪のため19日に順延された第91回全国高校サッカー選手権決勝。順延決定後に報道陣の取材に応じた京都橘(京都)の快足2トップは、そろって順延を喜んだ。

 この日の試合が中止となったことは、12時過ぎに選手にも伝えられた。「中止を聞いたときは、両校優勝か延期かまだ分からなかった。延期になってくれと、みんな思っていた」と明かすのはFW仙頭啓矢(3年)だ。「いいピッチでやりたいという気持ちがあった。一番いいのは今日できることだったけど、両校優勝だけは嫌だった」と力を込めた。

 14時前に順延が正式決定。一報が伝わるまで「緊張もあったし、長く感じた」と言うFW小屋松知哉(2年)は「(順延は)理想は理想でしたね」と不敵に笑った。昨年12月31日の1回戦・正智深谷戦で左ふくらはぎを負傷。「連戦が続いて、(状態は)よくなってはいない」と、2回戦以降も強行先発を続けてきた。「延期になって、ピッチが悪い状態でやらなくていいし、この足の状態でもやらなくていい。それはいい方に考えて、次に調整していきたい」と歓迎した。

 仙頭も3回戦・丸岡戦で左足を負傷し、13日の前日練習はそろって別メニュー調整だった。今大会5ゴールで得点ランキング首位に立つ小屋松と、4ゴールで同2位タイの仙頭。京都橘の誇る強力2トップに、そのコンディションを少しでも回復させられる時間ができたことはプラス材料だ。

 仙頭が「決勝では自分たちの力を出したい。(順延を)プラスに持っていきたい」と言えば、小屋松も「今の状態は70%。(19日に)100%に持っていくのは難しいけど、いい状態に近づく努力はしたい。できるだけいい状態にして試合に臨みたい」と誓った。まさかの降雪順延を“恵みの雪”に変え、初優勝を成し遂げる。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)

【特設】高校選手権2012

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