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「技術が足りなかった」後輩たちに初の2勝残すも、聖和学園は今年も青森山田から1点奪えず

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聖和学園高のMF原科勇我がドリブルで仕掛けるも青森山田高の守りは堅かった

[1.3 全国高校選手権3回戦 聖和学園高 0-5 青森山田高 浦和駒場]

 1年前よりもチームが前進していることを示したかった。聖和学園高(宮城)は後半、0-5と点差が開いても最後まで諦めずに攻撃を続ける。交代出場のFW西堀駿太(3年)らがドリブルで仕掛け続けて青森山田から1点をもぎ取ろうとした。だが、遠かった1点。東北のドリブル軍団は無得点のまま試合終了を迎えた。

 西堀は「やりきれなかったのは悔しい。技術が足りなかった」。聖和学園は昨年度の2回戦でも青森山田と対戦し、0-5で敗れている。そして今年も5失点。だからこそ、勝敗の行方がほぼ決した中でも、何とか1点を奪って選手権を終わりたかった。

 聖和学園で3年間磨いてきたテクニックで勝負した。だが、エースMF原科勇我(3年)は「ドリブルも自分的にはそんなにできていなかった」と唇を噛む。「ゆっくり攻めるのが聖和」(原科)という自分たちのスタイル、テクニックで青森山田にチャレンジしたが、聖和のサッカーで沸かせて勝つことはできなかった。

 それでも、彼らは歴史を塗り替える世代となった。過去3回の選手権出場時はいずれも初戦を突破したものの、2回戦で敗退。彼らは初めて2勝してベスト16まで勝ち上がった。西堀は「初めて3回戦来れたのは、いい意味で後輩に残せたというのもありますし、この一年を通して自分たちの代は朝から晩まで自主練していた学年だったので、それが3回戦に行けたという部分で良かったと思います」。“技術がまだ足りなかった”という悔しさがある。だが、歴史を塗り替えてドリブラーたちは選手権を後にした。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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