beacon

[MOM4532]松本国際DF渡邊智紀(2年)_夏場にBチームから昇格。小柄ながら2戦連続ヘッド、全国進出の立役者に

このエントリーをはてなブックマークに追加

松本国際高DF渡邊智紀

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.11 選手権長野県予選決勝 都市大塩尻高 0-1 松本国際高 サンプロアルウィン]

 松本国際高を連覇に導いたのは、2年生の“伏兵”だった。夏場にBチームから昇格したDF渡邊智紀だ。今大会ではDF小野寺怜音(3年)からポジションを奪い、準決勝でゴールを沈める。決勝でも延長後半に終止符を打ち、一躍ヒーローとなった。

 センターバックとしては小柄な172cmだが、空中戦に自信を持つ。準決勝、決勝と2試合連続でCKからヘディング弾。「タイミングで合わせるのは得意」と話すように、豊川FCの先輩・MF久保田剛海(3年)のキックにピタリと飛び込んだ。

 とりわけ決勝での活躍ぶりは、攻守ともに際立った。都市大塩尻のエース・FW中村玲央(3年)とマッチアップ。185cmの長身に対し、相棒のDF城元諒星(3年)とともに立ち向かう。城元も171cmと小柄ではあるが、「チャレンジとカバーをはっきりさせて、声をかけ合いながらやれた」。

 そして延長後半に大仕事をやってのけた。スコアレスで迎えた94分、CKの場面。久保田が山並みに上げたボールを、ファーで頭に当てる。これがGKの手を弾き、ゴールに吸い込まれた。「入ったと思わなかった。言葉に表せないくらい嬉しかった」。得点後はすぐさまスタンドの応援席へ。思い返せば、インターハイまでは応援“される”のではなく、応援“する”立場だった。

 以前もAチームに所属していた時期はあったが、「一回落ちてから頑張るようになった。使い始めたら夏休みからどんどん良くなった」と勝沢勝監督は評する。当の本人は「Bチームで上原(智)コーチが個を伸ばしてくれた」と回顧。ビルドアップを得意とする小野寺とレギュラーを争う中で、「(小野寺)怜音さんのキックには勝てないけど、自分の良いところを伸ばし続けてきた」。

 生まれ育った愛知県から、親元を離れて長野県へ。豊川FCの先輩である久保田とMF稲吉海斗(3年)に影響を受けて進学し、「ここに来てよかった」と目を細める。全国大会に向けては「毎日自主練とかをコツコツやって、絶対に(ポジションを)取られないようにしたい」と定位置確保を誓った。

(取材・文 田中紘夢)

●第102回全国高校サッカー選手権特集
ゲキサカ編集部
Text by ゲキサカ編集部

TOP