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代表合宿8日目、練習後の選手コメント

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 3日のW杯アジア最終予選・オマーン戦(埼玉)に向けて埼玉合宿中の日本代表は1日、合宿8日目の練習を行った。この日からACL決勝トーナメント1回戦を終えたGK権田修一(F東京)、DF酒井宏樹(柏)、MF高橋秀人(F東京)の3選手も合流。全25人が初めてそろって練習を行った。

以下、練習後の選手コメント

●FW香川真司(ドルトムント)
―今日の練習は?
「軽めで、サッカーというよりリカバリー的な感覚ですね。戦術的なことは何もやってない。疲れもあるので、リフレッシュする意味でいいリカバリーになったと思う」
―戦術練習がなかったことに不安は?
「ないですね。今日やったからと言って変わらない。しっかりやることを頭に入れて、試合が始まれば何が起こるか分からないし。監督の目指しているサッカーはミーティングでも言われているし、イメージはできている」
―昨日の練習試合の反省は?
「ネガティブにとらえることはない。一番大事なのは明後日のオマーン戦」

●FW宮市亮(ボルトン)
―今日は軽めの調整だったようだが?
「あと2日しかないし、いいコンディションになってきたと思う」
―オマーンのアル・ハブシとはプレミアリーグでも対戦しているが?
「世界を代表するGKだと思うし、シュートストップには定評がある。素晴らしいものを持っているし、簡単にゴールすることはできないと思うけど、それをしないといけない」
―クロスボールへの対応が弱点?
「クロスが入って、そこからシュートを打たれたボールを止めるというシーンをよく見る。サイドからのクロスだったりミドルシュートだったりが引いてくる相手には有効だと思う。シュートを何本も何本も打っていけば決まると思う。積極的に狙っていきたい」
―プライペードで仲がいいということだが?
「毎週のようにお世話になっていた人。でも僕はゴールを決めたいと思っている。ピッチに入ったら、そういうのは関係ないので」
―家が近所だった?
「もともとアリもボルトンにいたので、ボルトン(のチーム)のこととか街のことを教えてもらったり、いい“ご近所さん”というか、先輩です。CLとかプレミアリーグとかも一緒に見ようって誘われたり、家から外に出ると、いつもアリがご飯をつくっている姿が見えて……。『来いよ』って言われて、奥さんがつくったオマーン料理とかを食べさせてもらっていました。すごくおいしいですよ」
―イングランドの料理は?
「あんまり好きじゃないですね。フィッシュ&チップスも体によくないので……」
―オマーンは引いてきてスペースもないと思うが?
「引かれた相手には中盤が空いてくるし、そこでシュートも狙える。引いた相手にはミドルシュートが有効だと思うし、そういうところは積極的に狙っていきたい」
―W杯予選のイメージは?
「僕自身初めてだけど、負けられない戦いなので、自分のことは置いておいてチームのためにがんばりたい」
―プレミアに行ってミドルシュートの意識は高まった?
「プレミアリーグではそういうシュートが多い。ジェラード(リバプール)もそうだし、うち(アーセナル)にいるアルテタとか。ミドルからのシュートは多いし、そういうのを生で見てきたので。日本代表にも打てる選手はたくさんいる」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
―少し緩めのメニューだった?
「そうですね。今日はだいぶ落としたし、練習内容も非常に楽しいものでした。みんなリラックスしてできたかなと思います」
―コンディション調整はできた?
「昨日のゲームでは疲れていたところがあったので。体の部分だけでなく、頭の部分でもちょっと疲れているかなと、やっていても見ていても感じたので。今日こういう風にだいぶ練習も(強度を)落として、楽しい練習ができたので。気分的にも、頭も体も、良い練習ができたと思います」
―頭が疲れたのは相手の分析で? 自分たちのやることの確認?
「うーん。やはり欧州の選手たちはシーズンが終わって、ちょっと休んでというところもあって。その中でホテルで缶詰め状態でやっていれば、目に見えないストレスを感じることもあるだろうし。その中で練習も結構上げていたので。そういう中でもやるのがプロと言えばプロですが、プロである前に一人の人間なので、そういう目に見えないストレスというのは感じるところがある。それを監督が感じ取ってくれて、今日のような練習になったので。そのあたりはすごく良かったと思います。みんなが疲れたまま本番に入るのではなく、またフレッシュな形で練習を集中してやれると思うので、すごく良いタイミングだと思います」
―監督にリフレッシュしたいと話した?
「そういうわけでもないですけどね。僕じゃなくても、個人個人で監督に言う選手もいるので。僕も監督とはもちろんちょっとは話しましたけど。監督はそのへんを感じ取っていたので、今日のメニューも監督が決めていました」
―それぞれが監督に伝えた?
「している選手もいます。だから、監督は信頼してくれて、こういうメニューをしたりしてくれているので、そういう監督の信頼に対して、僕らはまた明日からの練習で集中しているところを見せていかないといけないし、試合のピッチでもそういうのを出していかないといけない。監督も僕らの意見をすごく素直に受け入れてくれるところもあるので、そういう信頼関係はできているかなと思う。それに応えるために、選手はピッチで表現しないといけないと思います」
―練習以外でも、監督は意見を聞いてくれる?
「しょっちゅうですよ。この前のアゼルバイジャン戦も、試合後は普通ホテルに戻ってから解散しますが、みんなは次の日がオフで、スタジアムに家族も来ていたので、そのまま一緒に帰りたい人もいた。そうしたら、受け入れてくれましたし、そういう柔軟性はすごくあるというか。チームの細かいルールは言えないし、細かいものもあるけど、そういう部分でも選手を信頼しているというか。この選手たちなら限度を越えないだろうという信頼感を選手たちも感じ取っているので、それを行動で返さないといけないかなと思います」
―主将として監督との橋渡し役になることは少ない?
「もちろん、選手と監督との架け橋じゃないですけど、コミュニケーションの間に入ることは自分がやっていかないと思っています。それは前回の予選とは違う立場なので、そのあたりは考えていますけど、あまりそういうことばかり考え過ぎるのではなくやっていきたいです」
―サッカーについては?
「サッカーに関しても、監督が求めているものと選手の間でギャップがあったら、選手個人個人で話すこともあるけど、一人ひとりが言っていくよりも、選手としての意見をまとめてあげることも大事だと思います」
―昨日の練習試合やアゼルバイジャン戦後も?
「監督とべったりするのも僕は好きじゃないので。必要最低限のコミュニケーションを監督とは取ります」
―2試合で新たに感じたことは?
「特にはないですよ。長くやっているので」
―オマーンの印象は?
「オマーンの研究というか、ビデオを見ましたが、本当に侮れないチームかなと。自分たちがどうやって崩すかとかは言えない部分もありますが、スカウティングスタッフを含めてコーチングスタッフを僕らは信頼しているので。僕らは彼らが与えてくれる情報に、プラス自分たちがどういうサッカーをやるか。アジアのレベルであれば、自分たちのサッカーをやれば勝てるという自信がある。そこを追求していきたいですね」

●MF高橋秀人(F東京)
―デビューしたアゼルバイジャン戦に続いて招集された。
「全体的なバランスを評価してもらっての選出だと思う。アゼルバイジャン戦では自分の思うようなプレーができなかったけど、選らばれたからには自分の持ち味を出して、日本が勝利できるようにがんばりたい」
―昨季はJ2にいて、今季J1に昇格して日本代表にまで来た。
「常に課題、危機感を持ちながらやっている。ここがゴールではないし、まだまだ上を目指してやっていきたい」
―いよいよ最終予選だが?
「前回の親善試合とは違う公式の予選。勝ち点3が取れるように、一つひとつの試合に全力を出して、勝利に貢献できるようにしたい」
―合宿で遠藤から学ぶことは?
「ボールを持ったときの判断の速さだったり、判断を直前で変えたり、いろんな選択肢を持てる体の使い方を学んでいきたい」

●DF内田篤人(シャルケ)
―昨日ハードだったから今日は少し軽く?
「どうでしょうか」
―ミーティングはやった?
「ちょっと」
―オマーンのポイントは?
「いくらビデオを見ても、スカウティングをしてもらっても、実際にピッチに立ってみないと分からないことがあるので。相手の出方もあるだろうし。でも、相手に合わせるわけではないので。自分たちがしっかり準備をできればいいかなと思います」
―速いFWもいるがバランスは?
「そういう練習をしているので。そこらへんは意識次第で変わるので、そんなに気にしてません」
―外からの崩しも重要になるが?
「ロングシュートじゃないですか? やっぱり。あとはセットプレーとかね。セットプレーで結構助かっている部分が予選とかでもあるし。ドイツでもそうですけど、悪い雰囲気でも、セットプレーで一発点が取れれば変わってくるので。良いキッカーもいますし」
―相手のセットプレー対策も?
「どうですかねえ。非公開ですから」
―セットプレーの守備で集中を保つためには?
「向こうが練習してくるような、ちょっと変わったセットプレーをしてくるか分かりませんが、セットプレーになったら人をつかんで個人勝負。一発があったらしょうがないけど。そういうところはあるので、セットプレーの怖さは」
―相手は高くないイメージがあるが?
「セットプレーはキッカー(次第)なので。背の高いとかも重要ですが、キッカーだけならうちはね。いますから。直接もあるし、横からとか、直接じゃなくても。そういうのは武器になると思います」
―初戦ということではどういう意識?
「初戦ということもあるし、うまくいかなくても普通かなと。うまくいかないからあたふたするのではなくて、こんなものかなと。もちろん一生懸命やりますが、その中でうまくいかなくても、ある意味、こんなものかなと思いながら。それで変に萎縮したりしないで、大胆にやれたら面白いかなと思います」
―前回の予選を経験していることは大きい?
「そういうこともあるけど、いろいろと。小学校からサッカーやってきていますから」
―2回目というのは大きいのでは?
「あんまり変わらないですけどね」
―ドイツでの経験は?
「結構大きい舞台は踏んできたつもりなので。いまさらどうこうという感じではないですし、場数を踏んでいれば勝てるかといえば、そうでもないですし。今は良い準備をして、試合に集中するだけです」
―守備を固めてくると、日本は前がかりになるが、バランスは?
「変に俺らは上がらなくてもいいんだけどね。後ろがゼロで抑えられれば、前はある程度チャンスはつくれると思うので。本当にバランスだと思います。監督もそれを一番言っているので」
―監督はピリピリしている?
「いろいろあの人も、俺は知らないけど、いろんなチームでやってきているらしいので……。あの人がどっしりしていれば、俺らもどっしりできるし」
―むしろ選手が落ち着いている?
「いやいやいや。それはないと思いますよ(苦笑)。すごいですよ、あの人は。すごい監督だと思います」
―8戦全勝にこだわるより、まずは出場権を取ること?
「そうですね。8戦全勝できるほど甘くはないから。(1試合ずつ)勝ちに行って、終わったときに8戦全勝だったりすればいい。初めから1敗するだろうという気持ちはないですけど、山あり谷ありというより、谷あり谷ありくらいだと思うので。それくらいだと思っています」
―ホーム初戦は大事になる。
「最初がホーム2連戦なので。監督も言っていましたが、こけないように。スタートダッシュを切りたい。それで行ければ、後半戦のプランも変わってくるかもしれないですしね」
―欧州組のコンディション調整が一つのテーマだったが?
「だいぶハードにやっていたので。キャンプかなと思うくらいでしたからね。でも、僕、ああいうのをやらないとコンディションが上がってこないので。尻上がりのタイプなので。あれくらいやってくれたら大丈夫じゃないかなと思います」
―試合に出れば、素晴らしいプレーが……。
「それは約束できませんね。まぁ、のんびりやります」

●DF長友佑都(インテル)
―リラックスしたメニューだった?
「そうですね」
―疲れもあったから?
「そうですね。結構追い込んでトレーニングもやっていたし、この3試合を戦うためのコンディションをつくってきたつもりなので。みんなの疲労も溜まってきていたので、ここでリラックスできるメニューを入れてリラックスしようという考えだったと思うけど、すごく良かったと思います」
―リフレッシュを入れたいという要望を監督にした?
「監督に直接は言ってないけど、トレーナーを通してだったり、欧州組もそうだし、Jリーグ組もそうだし。試合をやってきた中で代表に来た選手もいるし、合宿を長い間やってきた選手もいるので。ここでリラックスすれば心身ともに良い形に戻るかなと思ったので、それはトレーナーを通しては伝えました」
―サッカーバレーのあともリラックスできるメニューだった?
「そうですね。今日はすべてがリラックスメニューでしたね(笑)。いや、いい意味でね。これで明日の練習はまた引き締まると思うし、メリハリができるかなと思う。これまで本当にフィジカル的なトレーニングだったり、緊張感がある中でキュッとやってきたので、一つリラックスゲームができたのは良かったかなと思います」
―最終予選に向けて高まりは?
「それは高まりますよ。最終予選を経験するのは2回目ですが、あの緊張感は特別なものなので。またそういう緊張感を味わえるのは本当に幸せなことです」
―インテルでは日常的に大舞台があるけど、それとは違う?
「それは別ですね。違う緊張感がありますね」

(取材・文 西山紘平、河合拓)

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