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右ヒザの状態を明かす本田「ダメージは、ある」

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 ブラジルW杯最終予選、日本代表は3日に行われたオマーン戦に3-0で快勝し、幸先の良いスタートを切った。一夜明けた4日の練習ではオマーン戦でスタメン出場した選手たちは、和やかな雰囲気のなかでリカバリーメニューをこなしていた。約30分、チームメイトとともに汗を流していたMF本田圭佑は、他の選手たちがランニングを始めると、一人その輪から離れてトレーナーとストレッチを行った。

 前日のオマーン戦で先制点を挙げた男は、ミックスゾーンで「初戦を終えて一夜明けた心境は?」という報道陣の質問に「予想通りの質問ですけど」と鋭く切り替えし、淡々と語り始めた。

「もう次に、気持ちは切り替わっていますし、何度も言っていますけど、良い準備をどれだけできるか。チームとして、個人として。そこだけですね、本当に。意外と時間はそんなにないですし」

 日本代表が8日に戦うヨルダンは、11年1月に行われたアジア杯の初戦でも対戦し、1-1と引き分けている。この試合の戦い方について本田は、オマーン戦と同じように自分たちの戦い方を貫くことの重要性を口にした。

「戦い方を変えるという考え方は、僕の中にはありません。あとは監督がどういう風に前のアジア杯の引き続きではないですけど、どういうふうに戦うかは監督次第。僕は個人的には、あの戦い方で打ちのめすのが、王道の道だと思う」

 アルベルト・ザッケローニ監督が口癖のように「時間が足りない」と言うように、決して集まれる時間が多くない日本代表にとって、最終予選は大事な『本番』であると同時に、絶好の強化の時間でもある。それだけに長時間にわたって行動をともにできる、この3連戦の期間は無駄にできない。だからこそ、本田は言葉に力を込める。

「(オマーン戦は)簡単に3-0になるなんて思っていなかったし、結果だけを見れば本当に上出来なわけですよ。それはヨルダン戦も一緒で、本当にどういう結果になるかは分からない。非常に厳しい現実が待っているかもしれない。ただ、その結果にたどり着く過程は、そうはあってはいけない、と僕は思います。結果がどう転ぼうとも、やっぱり自分たちが納得した形で(ヨルダン戦を戦い)、オーストラリアに行くべき。この3試合の後も続いていく予選に、良い影響を及ぼす3試合にしないといけない」

 結果を求める上でも、日本の目指すサッカーを追及する上でも、中心選手である背番号4は欠かせない。それだけに練習の途中から別メニューで調整していた彼の足の状態は、気になる。昨年9月に手術した、右ヒザの状態に不安はないのか。昨日、90分フル出場した後の状態について「何とも言えない状況ですが、ダメージがあるか、ないか、と問われたら、ある」と明かしたが、同時にその状況でこれまでもトレーニングを続けてきており、大事ではないと強調した。

「完璧っていうにはまだまだ程遠い部分はあります。かといって、全く次の試合90分できないかと言われたら、できる。(ケガの状況が)懸念材料として挙げるようなものでもない状況にまではなってきているので。あとは『全く問題ない』と言えるゾーンにどれだけの期間をかけて完治させていくか。これは僕も正直、読めていない」

 日本代表が世界の舞台で勝てるチームになるために。その舞台にチーム、そして個人としても万全の状態で立つために。本田は休むことなく、走り続ける。

(取材・文 河合 拓)

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