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DVDやYouTubeでSBを研究する高木、アシストは「映像で見たとおり」

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[8.30 U-20女子W杯準々決勝 日本3-1韓国 国立]

 本職はCBの“急造SB”が値千金アシストで勝利に貢献した。2-1で迎えた前半37分、右サイドでMF田中美南がDF3人に囲まれながらボールキープ。その内側を駆け上がってきたDF高木ひかりは横パスを受けると、右サイドをゴールライン際までえぐった。ニアにはFW西川明花も走り込んできたが、逆サイドで待つMF田中陽子へ冷静にマイナスのクロス。フリーの田中陽は右足で押し込むだけだった。

「陽子が後ろでフリーになっていた。試合前から『マイナス(の位置)で待っていたら出すよ』と話していた。ポジショニングがいいので、相手をうまく外してフリーでいてくれる。中でしっかり待ってくれていたのがよかった」

 22日のニュージーランド戦(2-2)以来、2試合ぶりに右SBで先発した高木だが、19日の初戦・メキシコ戦(4-1)はCBでプレーしていた。所属する早稲田大でも本職はCB。右SBとしての経験は今大会まではほとんどなかった。だが、「自分自身、SBはあまりやってなかったので、SBの映像を見て勉強している」と、不慣れなポジションだからこそ宿舎では研究に余念がない。

 スタッフにSBのプレーを集めた映像を編集してもらい、「近賀さんもそうだし、オーバーラップのタイミングなら鮫島さん。2人のいいところを学ぼうと思っている」と、なでしこジャパンの両SBであるDF近賀ゆかり、DF鮫島彩のプレーを研究。さらに自分でも動画サイトのYouTubeを繰り返し見て勉強しているという。その対象は女子だけでなく、男子、欧州サッカーまで幅広い。「長友選手だけでなく、インテルのマイコン選手もよく見るし、EUROでもスペインの(ジョルディ・)アルバ選手のタイミングはすごいと思った」と、さまざまな選手から学んでいる。

 この日のアシストの場面は「(田中)美南のパスからフリーで受けることができて、映像で見たとおりだった」と言う。「フリーだったので、中を見るだけだった」と、“猛勉強”が実ってのアシストに笑みが広がった。前半45分で途中交代となり「今日はあまりいいプレーをしていない。縦に入れるボールをカットされたり、オーバーラップだけでなく細かいプレーの成功率を上げることが大切」と反省も忘れない。「どこで出たいとかはあまりない。試合に出られることがうれしい。どこで出ても活躍できる選手になりたい」。ヤングなでしこの誇るユーティリティープレイヤーは日々成長を続けている。

(取材・文 西山紘平)
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