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緊急招集の寿人が復帰即ゴール誓う、「エリア内で自分の特長を出す」

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 緊急招集された日本代表FW佐藤寿人(広島)がフランス戦を翌日に控えた11日、試合会場となるサンドニでの公式練習に参加した。前日10日夜に宿舎でチームに合流。フランス戦に向けて全体練習をこなせたのは1日だけだが、「今回こういう形で呼ばれて、試合も2試合しかない。チャンスは限られていると思うけど、モノにできるようにがんばりたい」と意気込んだ。

 FW前田遼一の離脱に伴い、急きょ追加招集された。岡田武史前監督時代の10年2月の東アジア選手権以来、約2年8か月ぶりの代表復帰で、ザックジャパンでは初選出。「自分の年齢がだいぶ上になって、若い選手が多い。代表も新しくなっているのかなと」。久々に日本代表の練習用ジャージーに袖を通し、ザックジャパンの印象を語った。

「厳しいだろうなと思っていたけど、あきらめたことはなかった。FWなので、点を取り続けてさえいれば、いつかチャンスは来ると思っていた」。リーグ初制覇へ首位を走る広島を牽引する佐藤は今季、クラブのシーズン最多得点記録を更新する20ゴールで得点ランキングの首位を独走している。広島のチームメイトからは「あと何点取れば寿人さんは代表に入れるのか」という声が漏れるほど、ザッケローニ監督からはなかなか声がかからなかったが、前田の離脱というアクシデントでついにチャンスがやってきた。

 広島でも3-6-1の1トップを務めているが、「チームと代表は別物。1トップと言っても役割が違う。チームと同じ感覚でやっていたらうまくいかないし、切り替えてうまくやりたい」と話す。それでも、ストライカーとして最終的に求められるものは変わらない。「FWなので、一番はゴール。どんな相手であっても、そこは自分の強みとしてやっていきたい」と力を込めた。

「アジア予選や親善試合では、ある程度主導権を握れる時間が多かった。ボールを出せる選手が多いし、起点になる選手も多い。最後の引き出しの部分、最後のボックスのところでフィニッシャーとして十分やれるかなと。そういうイメージで代表戦を見ていた」

 復帰即ゴールを狙う寿人。代表戦でゴールとなれば、09年11月18日のアジア杯予選・香港戦(4-0)以来、約2年11か月ぶりだ。「エリア内で自分の特長を出していきたい。この2試合、大事なアウェーの試合でチャンスをもらえた。そこでしっかりモノにできれば。限られた時間だけど、いろんなものを吸収したい」。中盤にタレントがそろうチームの中で“異質”とも言えるゴールハンターが、世界への試金石となる欧州連戦でザックジャパンに新たな可能性をもたらす。

(取材・文 西山紘平)

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