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フットサル日本代表 ブラジル戦前日会見 ミゲル監督コメント

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 フットサル日本代表は23日、フットサル・ブラジル代表との親善試合に向けた前日練習を行った。練習前、公式会見に臨んだミゲル・ロドリゴ監督は、「世界王者と戦うことによって、恐怖心を取り除き、W杯へ向けたメンタルを整えたい」と、語っている。

以下、ミゲル・ロドリゴ監督 会見全文

―明日の試合に向けて?
「昨日、ブラジル代表とFリーグ西選抜の試合を視察しましたが、その試合を見ても、私たちのコンディションを考えても、明日の試合は、どちらもトップフォームでの試合にはならないのかなと思っています。ブラジル代表は昨日の試合でも、特に前半は体が重そうで、技術的にも持っているものを発揮できないシーンが多く見られました。私たちも長い期間、負荷をかけたトレーニングをやってきたので、トップフォームに持っていくにはあと1週間かかるかなと感じています。明日は、そういう状況でのゲームとなります。そういう状況でのゲームになりますから、明日のゲームの勝敗は、よりミスが少ないゲームをして、決定的なところで止められるかどうか。アグレッシブなゲームというより、そういうミスの頻度を争う試合になると思います。私たちにメリットがあるとすれば、ホームゲームということで、たくさんのお客さんに来ていただけることです。その雰囲気を力に変えて、リズム感のある良いゲームを見せることができれば、会場も盛り上がってくれるでしょうから、それが追い風になればメリットになるかなと思います。相手は世界チャンピオンですが、最後まで勝敗の行方が分からない、競り合った、際どい良いゲームができるんじゃないかなと思っています」

―病み上がりのカズ選手は何分くらい出すか?
「フットサルのゲームで、誰がどれくらいの時間、出場するかをお伝えすることは難しいです。シチュエーションに応じて、あるいはローテーションに応じて、ゲームの状況に応じて変わることがあります。何と言っても交代が自由なので、トータルの出場時間が何分になるというのは、教えられないというより、わかりません。これはカズ選手だけでなく、他の選手も同じ考え方をしようと思っていますが、何人の選手かに偏って、負荷のかかるゲームはしたくありません。ただ、点差や試合の流れなどによっても大きく左右されますし、バスケットボールやハンドボールにも似た、フレキシブルな流れという特徴がありますので、今どれくらいの時間を出すか、負荷がどれくらいかかりそうかは言えません」

―第2PKのキッカーはカズ選手?
「第2PKはスペシャリストを置いています。逸見(勝利ラファエル)、森岡(薫)、高橋(謙介)。彼らがスペシャリストとしてトレーニングを積んでいますし、経験もしているので、基本的には変えません。とはいえ、これもゲームの流れと無関係ではなく、たとえばカズ選手が爆発して、3点を取って、乗っているなと感じたら、そういうシチュエーションがあれば、任せるかもしれません。ただ、フットサルはスペシャリストがいろいろな機能していることなので、第2PKはカズ選手以外にスペシャリストがいる状態です」

―明日、確認したいことは?
「まずは実戦のリズム感を、もう一回、確認する時間にしたいと思います。もう一つは、これまでやってきたDF面の確認。DFの機能について確認したい。もう一つは、W杯に向けて、もう一歩を踏み出すゲームにしたい。ブラジルという世界王者との対戦で恐怖心を克服して、W杯に向けてメンタル面を整えることも大きなテーマになります。強豪を相手にメンタル面を整えるということですが、そういう相手だからこそ、攻撃的に、アグレッシブにプレーしたい。これは私のスペイン人のメンタリティがそうさせる部分があります。守りを意識した試合、受動的な試合をしてしまうと、相手の良い所が出てしまうので、出来るだけアグレッシブにプレーしたいと思います」

―今の時点でカズ選手の先発起用の可能性は何%?
「カズ選手、個人の状況で話をすると、彼はJリーグでプレーを続けて、シーズンの終盤に合流しています。フィジカル的には、Fリーグのシーズンが始まって、まだ3か月の他の選手たちと比較すると、フレッシュさ、伸びやかな感じは、ディスアドバンテージがあると言わざるをえません。ただ、そこがすべてではありません。フットサルは、1分プレーして、ベンチに下がって、再び出番を待つことができるゲームです。その中で、どれくらいの確率でプレーすることになるかは、戦術的な理解、今のチームのダイナミズムに合わせることができているか、というレベルになります。そこに関しては非常にインテリジェンスの高い選手ですから、問題を感じていません。最初に招集したときも話をしましたが、こういうチャレンジはカズ選手ができるのは、彼だけだと。あれからトレーニングキャンプのたびに、やはりこの選手にしかできないなと確信させてくれるインテリジェンスの高さ、吸収の速さを見せてくれています」

―ファルカン選手が欠場するが、ゲームプランは変わる?
「まったく変えるつもりはありません。ブラジルにはファルカンに匹敵する選手が4、5人います。シミ、ビニシウス、ウィルド、シソら、攻撃力の高い選手がそろっています。私も5年間、スペインリーグのカハ・セゴビアというチームを率いて彼らのプレーを見てきた。そういう意味では、向こうの選手の誰か一人が出ないから、何かが変わるとは捉えていません。チームとして、非常に力を持っています。ですから、やり方、考え方を変えることはまったくありません」

(取材・文 河合拓)

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