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[フットサルW杯2012]フットサル代表戦の早期開催を訴えるFPカズ「この熱の中で見せるべき」

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[11.11 フットサルW杯2012 ウクライナ6-3日本 フアマーク]

 これこそ彼が、キングと言われる所以だろう。11日に行われたウクライナ戦に3-6で敗れた直後、FP三浦知良(横浜FC)は、フットサル日本代表戦の早期開催を訴えかけた。今回のW杯をもって、約3年半続いたミゲル・ロドリゴ体制は、ひと段落がつく。現時点で、次のフットサル代表活動は13年5月の予定になっており、約半年以上もブランクが空くことになる。今回のW杯で、大きな注目を集めるようになった今、なるべく近いうちに代表活動をするべきだと、カズは提言した。

「これは現場の意見ですよ」と、前置きをした上で、カズは自身の見解を淀みなく語っていった。

「来年はアジア選手権もありませんし、代表戦が予定されているのは5月。それでは、はっきり言って遅いと思うんです。早くフットサル代表戦を、この熱の中で、日本で見せることが必要だと思う。でも、日本で対戦相手を呼んで試合をやることは、なかなか難しいようです。現場レベルでは、そういう強化試合がこういう大会が終わったあとにほしい。サッカーのA代表だったら、W杯が6月に終わったら、もう8月ぐらいには新体制になって、新しい監督の下で次のW杯を目指す体勢をすぐ取るじゃないですか。1か月半ぐらいで。そして、それを日本全体に知らせる動きがある。でも、フットサル日本代表は11月にW杯が終わって、今度は5月まで何もないっていうのは、ちょっとどうなのかなと」

 フットサル日本代表に加わってから、カズはフットサル選手たちと、対話を重ねて来た。その内容のほとんどが「どうしたらフットサル界が良くなるのか」という話だったという。「本当に、木暮キャプテンをはじめ、みんながその話をしているんですよ。それはもう、いろんなことをみんな思っていますし、僕も自分の意見を言いました。そういう話し合いができて良かったなと思います」。

 これまでフットサル日本代表の選手が、日本サッカー協会に対して何かを提案してきたということは、ほとんどなかった。キングと呼ばれる男が、その選手たちと話を重ねて、提言をすることで、動きが変わるかもしれない。

「フットサル日本代表が良くなるために、フットサル界が良くなるために、みんなとはいろんなことを話しました。今言った、代表のこともそうですし、Jリーグのチームがフットサルのチームを持つようになるのもいいのではないかとか。全チームではなくても、同じチームで、同じユニフォームで、同じサポーターが来てくれるとか。そういうつながりがヨーロッパや南米にはある。パルメイラスも、サンパウロも、コリンチャンスも、みんなフットサルのチームを持っていますから。そういうJリーグとのつながりを、もっと持つチームが出てきてもいいのではないかなと思います。いまは同じ地域にあってもあまり連係がないようですので、共通のチケットをつくるとか。いろんなアイディアをみんなで、本当に毎日話していました」

 カズ自身、今後はJ1昇格プレーオフに進出した、横浜FCに戻ってプレーする。それでも、何かあれば今後も力になりたいと、言葉に力を込めた。「何か必要なことを言ってもらえれば、こうやって仲間もできましたし。何か協力できることがあれば、どんどん言ってほしいです。まぁフットボールですからね。フットボールファミリーとして、本当に協力をしていきたいです」と話すカズ自身、誰よりもこの流れを一過性のものにしたくないと強く望んでいる。

(取材・文 河合拓)

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