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因縁の韓国戦へ、柿谷「昔のことは振り返らない」

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 オーストラリア戦(3-2)から一夜明けた26日、日本代表は韓国北部の坡州(パジュ)で練習を行った。オーストラリア戦の先発メンバーと途中出場したFW工藤壮人(柏)、MF山口螢(C大阪)はクールダウン中心の軽めの調整。工藤、山口を除く中国戦先発組はボール回しやクロスからのシュート練習で汗を流した。

 28日の韓国戦まで中2日。通常、一夜明けの練習はコンディション調整のメニューのみで終わることが多いが、試合まで時間がないこともあり、最後に戦術練習も行われた。工藤、山口を含めた中国戦の先発メンバーがピッチ上に4-2-3-1のフォーメーションで並び、最終ラインからビルドアップする攻撃の形を確認。すでに練習を終え、ピッチ横で休んでいたオーストラリア戦先発組にも、その様子をしっかり見ておくようにコーチ陣から指示が出た。

 勝てば東アジア杯初優勝となる日韓戦。アルベルト・ザッケローニ監督としては、限られた時間を無駄にするわけにはいかなかった。練習後もFW柿谷曜一朗(C大阪)をピッチに残し、個別指導。「1トップの動き方、ボールの受け方とか、そんな感じだった」(柿谷)と、あらためてマンツーマンで入念に叩き込んだ。

 中国戦から先発総入れ替えで臨んだオーストラリア戦。指揮官は「前日の練習を見て中国戦に出たメンバーのコンディションが悪そうだった」と、その理由を説明し、韓国戦に向けても「注意してコンディションを見ないといけない」と話している。中2日の韓国戦もコンディション重視となれば、中国戦の先発メンバーが基本となりそうだ。

 1トップで2試合ぶりの先発が濃厚な柿谷にとって、日韓戦は因縁の試合だ。08年11月8日に行われたAFC U-19選手権準々決勝。U-20W杯出場権を懸けた大一番で韓国に0-3という屈辱的な大敗を喫し、U-20W杯連続出場が7で途切れた。大会初戦で腰を痛めていた柿谷は後半開始から途中出場したが、ゴールに絡むことはできず、試合後はピッチに倒れ込んで号泣した。

 あれから5年。今回の韓国には当時のU-19韓国代表メンバーだったFWキム・ドンソプ、MFチョ・ヨンチョルも名を連ねている。韓国にリベンジを果たすことが自身の代表定着にもつながるが、今はチームの勝利だけを考えている。

「昔のことは振り返らず、明後日の試合だけに集中していきたい。森脇くん、槙野くんを中心に『優勝しよう』と常に言っている。優勝したい。最後なんで、連係どうこうよりも気持ちの問題になる。しっかりぶつかって戦いたい」。個人的な感情は関係ない。目の前の相手を倒し、日本代表の一員としてタイトルを獲得する。

[写真]練習時間が重なったなでしこジャパンのFW岩渕真奈に求められ、一緒に記念撮影するFW柿谷曜一朗

(取材・文 西山紘平)

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