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指揮官に「1点取らせてあげたかった」と言わせた豊田

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 得点こそなかったが期待感を持たせるプレーを随所に見せたFW豊田陽平(鳥栖)が、韓国戦での“再試”を切望した。

 オーストラリア戦から一夜明けたこの日はストレッチやジョギングなどリカバリーメニューで軽めに終了。「得点を取りたかったので、昨日と変わらず悔しい気持ちがあるが、また次の試合でチャンスをもらえるようにしっかりやりたい」と意気込みを見せた。

 1トップで先発したオーストラリア戦では前後半それぞれ1本ずつのヘディングシュートを打った。1本目は前半37分。MF山田大記(磐田)からの左クロスに合わせたが、GKの正面だった。後半30分にも山田のクロスに合わせたが、今度は枠外。いずれもフリーだっただけに、「大事なところで決めなければいけなかった」と悔しさを噛みしめた。

 だが、ザッケローニ監督の評価は上々だ。「みんなが良いパフォーマンスだったと思う中、豊田が得点できなかったのが個人的には残念だ。あれだけやってくれたのだから、1点くらいあげても良かったのにと思う。前線でのキープ、ポストプレー、ヘディングの落とし、ゴールに向かっていくプレーなど、本当によくやってくれたと思う」。FW大迫勇也の2得点をアシストしたプレーに象徴されるように、シュート以外のところでのプレーで指揮官の心を揺さぶったのだ。

 2試合を終えて攻撃陣ではFW柿谷曜一朗、FW工藤壮人、FW齋藤学、大迫の4人が得点を挙げてアピールに成功しているが、「それは想定内。競争の中でしっかり生き抜いていくことと、チームのためにプレーすることを持ち続けないといけない」と、焦りを見せない。

 その理由は「あとはほんの少しの感覚だと思うし、それは十分に修正できるところ」という自信があるからだ。「鳥栖でも少ないチャンスで決めているという自負がある」と言う口調には力強さがある。

 急造チームにおいて、自身だけが持つハッキリした特長を前面に出しながら、チームプレーでも光るものを見せた豊田。オーストラリア戦で指揮官に与えたインパクトをより強くするために、韓国戦でも出場チャンスをつかみ取るつもりだ。

(取材・文 矢内由美子)

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