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岡崎「出し手がもらい手に合わせることも必要」

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 W杯を見据えて理想のスタイルを構築しようともがき、チーム全体がハッキリとした指針を持てない状況に陥っている日本代表。FW岡崎慎司(マインツ)は「今は手探りの状態」と言いながら、攻撃の際の意識変革を提案した。

「前線の選手は、キヨ(清武弘嗣)以外はもらう側だと思っている」と、まずは「使うタイプ」と「使われるタイプ」について言及。「僕のスタイルはもらい手側。代表では出し手に合わせないといけないというのが多いけど、もっと“もらう側に合わせろよ”くらいにやっていくのも必要だと思う」

 岡崎は「エゴというわけではないけど」と言いながら、「出し手が足元へのパスを出したいと思っても、もらい手が裏に抜ける動きをしたらそれに合わせたパスを出すことも必要」と、パサー主導から臨機応変なスタイルへ変換すべきと主張した。

 10月の東欧遠征2連戦では、新しいことへのチャレンジとして、足元でパスをつなぎながら中央の密集地帯をくぐりぬけてチャンスをつくるという高等戦術にトライした。しかし、結果は2試合とも無得点。武器にできれば鬼に金棒の攻撃スタイルではあるが、いかんせん、得点を生むまでには相当な距離があることが印象づけられてしまった。

「今日は足元でつないだというなら、次は裏に蹴ったり、早い攻撃をしたり、いろいろやってみるのが大事だと思う。それで結果が出れば、こうすべきという自信になっていく」

 岡崎自身、チーム全体を支配している「もう一つ上へいきたい」という意思を否定しているわけではない。結果を出すことで得られる自信もあるのだということを言いたいのだろう。

「今は手探り。いろいろな目標がある中で、どうしたら良いのかを考えている」。W杯まであと7か月。日本代表は迷い道をどのように乗り越えていくのか。

(取材・文 矢内由美子)

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