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クラブで苦しむ香川&本田にザック「焦る必要はない」

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 MF長谷部誠やDF内田篤人ら主力不在で5日のニュージーランド戦(国立)に臨む日本代表だが、今回招集されながら所属クラブで苦しんでいる選手もいる。マンチェスター・ユナイテッドで出場機会に恵まれないMF香川真司、ミラン移籍後なかなか結果を出せず、現地メディアからの批判が強まっているMF本田圭佑。2人の現状は、6月にブラジルW杯を控えた日本代表にとっても不安材料と言える。

「まず、少なくともここ日本では出場機会に恵まれるだろう」。本田と香川について聞かれたアルベルト・ザッケローニ監督は冗談交じりにそう答えると、「香川にしても本田にしても、少し我慢が必要だし、同時に焦る必要はないと思っている」と、長い目で見る必要があると力説した。

 香川について「マンチェスターは監督も代わり、新体制になったこともあって苦労していると思う」と言及した指揮官は、自身も長く指揮を執ってきたセリエAに関し、「数年前まで、他のリーグで活躍したスター選手がイタリアに来ると、慣れるまでに苦労したし、逆にセリエAである程度通用した選手は、スター選手に限らず、他のリーグに移籍すると、それ相応の結果を残すと言われてきた」と指摘する。

「プラティニほどの有名な選手でも実力を示すのに半年の時間を要した。ジダンも慣れるまでに、それ相応の時間がかかった。現在のミランは、さらに監督が代わるということもあった」。過去の名選手もセリエAに順応するには時間が必要だったと強調。本田の現状に理解を示し、「私の知っている限りのセリエAは世界でも非常に難しいリーグであるし、そういったリーグでもまれることで、選手としても非常に成長できるリーグだと思う」と、この経験がさらなる成長につながると確信しているようだ。

 同時に、ニュージーランド戦が彼らの現状を打破するきっかけの一つになってほしいとの思いも口にした。「それぞれの所属クラブの監督も、明日のゲームでの彼らのパフォーマンスに注視していると思う」。そう指摘したうえで、「当然、プレーする機会にも恵まれるだろうし、代表チームに貢献するチャンスにも恵まれるだろう。それぞれの所属クラブの監督に向けてメッセージを発信できるチャンスの場でもあるのではないかと思う」と、クラブでのアピール材料になるようなプレーに期待していた。

(取材・文 西山紘平)

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