beacon

初戦は前半34分で交代…吉良がリベンジの2ゴール

このエントリーをはてなブックマークに追加
[5.18 女子アジア杯 日本 7-0 ヨルダン]

 先制ゴールと、これにて打ち止めの一発。今回代表初招集という5人全員が先発したヨルダン戦で、その1人である22歳のFW吉良知夏(浦和)が2得点を挙げる活躍を見せ、若手組の力をアピールした。

 まずは前半26分だ。左SBの宇津木瑠美(モンペリエ)のクロスをヘディングシュート。高く飛び上がった際に重心がやや浮いたが、シュートの軌道をうまく抑えてネットを揺らし、チームに待望の先制点をもたらした。

「前半の早い時間にシュートを打って自分のリズムをつかめていた。得点できてホッとした」

 ゴールラッシュとなった試合を締めくくったのも吉良だ。後半50分、今度はセットプレーのこぼれ球を右足でシュート。とどめの7得点目で、佐々木則夫監督から「点を取ったということよりも、90分間出て、最後まで切れ味のあるプレーをしたことが良かった」との評価を受けた。

「監督からも直接そう言ってもらえたので、自信になる。W杯出場が決まる試合に出られる11人は限られている。その中で日の丸を背負って戦い、FWを任されて2得点できたこと、出場権を獲得できたのは良かった」と、笑みをこぼした。

 悔しさを抱えての試合だった。14日にあったグループリーグ第1戦のオーストラリア戦で、2トップの一角として先発に抜擢されたがうまく機能することができず、前半34分で交代させられた。

 ショックを引きずってもおかしくない交代。しかし、吉良の中ではすでに吹っ切れていた。「反省するところはして、頭の中は切り替えていた」

 チームとして掲げている高い目標も、吉良をいい意味で追い込んだ。W杯出場権を獲得するためだけならヨルダン戦引き分け以上で十分だったが、日本の目標はグループリーグを1位で通過し、アジアチャンピオンになること。そのためにはオーストラリアとの得失点差も考慮し、より多くの点を取っておかないといけない。自ずと積極的になる状況が功を奏しての2得点だったのだ。

 準決勝以降はエース大儀見優季(チェルシー)が不在になり、より責任が増す。「アジアカップで優勝するチャンスがあり、そのメンバーに入れている。しっかり結果を出して、来年のワールドカップに向けて優勝できるように、自分も結果を出していけるようにしたい」

 勝負の残り2試合へ向けて、吉良が表情を引き締めた。

(取材・文 矢内由美子)

▼関連リンク
女子アジア杯2014特設ページ

TOP