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疲労もピークの中で迎える壮行試合、ザック「最高のスピードは本番で」

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 日本代表は26日、試合会場の埼玉スタジアムで公式練習を行い、27日のキプロス戦に向けて最終調整した。練習後、アルベルト・ザッケローニ監督が公式会見に出席し、キプロス戦の位置づけとW杯に向けての決意をあらためて述べた。

 21日から前日25日まで行った鹿児島・指宿合宿では、2部練習などハードなメニューでフィジカル的に追い込んだ。選手の疲労はピークに達しているが、「W杯の第1戦から逆算したうえで、フィジカルと戦術、技術のトレーニングを指宿からやってきている。W杯の初戦に100%で合わせるためにプログラミングしている最中だ」と前置きしたうえで、「明日の試合ではフィジカルのキレや輝きは求められない。選手には判断力、頭のキレが求められていると思う」と、選手に期待する部分を語った。

 キプロス戦が行われる埼玉スタジアムは、ザックジャパンの初陣となった2010年10月8日のアルゼンチン戦(1-0)に始まり、W杯アジア3次予選で1試合、W杯アジア最終予選ではホーム全4試合を戦った。戦績は5勝1分。W杯に向けた壮行試合として、最適かつ最高の舞台となる。

「4年間、我々の主戦場として戦ってきたスタジアムであり、当然、自分の記憶の中には、この埼玉スタジアムで得たたくさんの成功経験が深く刻んである」。アルゼンチン相手に歴史的初勝利を挙げた初陣、初めてホームでW杯出場を決めた昨年6月4日のオーストラリア戦(1-1)。埼玉スタジアムでの数々の思い出の最後に、ブラジルへ向けた壮行試合が加わることになる。

 同時に、はやる気持ちを抑える。「明日の試合については、これまでの親善試合と同様の考え方をしている。テストの場であり、内容、情報を収集したうえで、課題やどこに手を加えたらいいかを図るために使いたい」。あくまでW杯前に残された3つの強化試合の中の1試合。大事なのはW杯本番であり、今はその過程にある。

「この4年間で、選手の入れ替えもしてきたし、チームとしてのやり方や、基本的なコンセプト、ベースを維持しながら、オプションも積み上げてきた自負はある。W杯予選も楽にとは言わないが、想定どおりにクリアした自負がある」。これまでの歩みに自信を見せるザッケローニ監督は「明日の試合でも、これまでやってきたことをできる限り出してほしいと思っている」と期待する一方、「ただ、最高のスピードというのはW杯本番で出せばいいと思っている」と付け加えることも忘れなかった。

(取材・文 西山紘平)

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