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日本代表メンバー発表、アギーレ監督会見要旨

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 日本代表のハビエル・アギーレ監督は1日、都内で記者会見を行い、10日のジャマイカ戦(デンカS)、14日のブラジル戦(シンガポール)に臨む日本代表メンバーを発表した。

以下、会見要旨

ハビエル・アギーレ監督
「今回は2試合は1試合がホーム、1試合がアウェーでプレーできる。W杯予選が始まればこういった形でプレーすることが多くなるので、良いシミュレーションになる。この2試合で新しい選手を見ることもできる。Jリーグで活躍している選手たちだ。代表の門は常に開いているという形が続いている。対戦相手のジャマイカを私はよく知っている。かなり我々のプレーを要求するチームで、苦しい展開も予想されるが、サポーターの皆さんの後押しがあれば、勝利を目指して戦うことができると思う。その後、シンガポールに移動して、世界トップクラスの代表チームと対戦する。これも日本代表の成長につながると思う。楽な試合ではない。新しい監督になって、すでに2勝を挙げているチームだ。しかし、逆境を乗り越えるということを目指したいと思う」

―W杯以来の復帰となった香川への期待は?
「香川は前回の合宿でも最初のリストに載っていた選手だ。不運なことに顔面、鼻のところに打撲があって合流できなかった。前回もリストアップした選手だ。非常に能力が高い選手で、たくさんの解決策を持った選手。アタッキングサードでそういったものを提供してくれる。欧州で長年プレーしているので、守備のところでも力を付けていると見ている。オールラウンドな力を持っている選手だと思う。彼が参加できることをうれしく感じている」

―守備陣では4人の新しい選手が入ったが?
「Jリーグの視察を続けているが、その中でチームに良い貢献をしている選手たちだ。チームの結果に関わらず、パフォーマンスを維持できた選手たち。若い選手も、経験を積んだ選手もいる。新たに招集した選手を見れば、全員がレギュラーとして定着している選手たちだ。Jリーグで見せているレベルを国際レベルで見せられるのかどうかをこの2試合で見たいと思っている」

―香川はMF登録だが、起用法はどう考えているか? これまでは左のワイドでプレーすることが多かったが?
「彼はどちらでもプレーできる選手だ。4-3-3の場合は中盤で見たいと思っている。ドルトムントの初期のころも、そのポジションでプレーしている。マンチェスター・ユナイテッドでも最後のほうはそのポジションでプレーしている。ハーフウェーラインより前ならどのポジションもこなせる選手だと思う。基本的には4-3-3の中盤の選手と考えている」

―クラブでなかなか結果を出せていないハーフナーを招集した理由は?
「コルドバでシーズンをスタートさせ、一番最近のエスパニョール戦を除けばずっとプレーしている。過去の代表でも彼のことを知っているし、センターフォワードとしての彼をこのチームの中で見たいと思った。私は彼を信頼している」

―Jリーグで首位の浦和から西川しか入っていないが?
「浦和の試合は2試合見た。テレビでも8試合ぐらい映像を見た。視察した試合で見られなかった選手も映像では見ている。非常にパワフルな力強いチームだと思う。話をしたこともある浦和の監督は非常に良い監督で、私も敬意を払っている。浦和のプレースタイル、浦和の選手を私は好きだ。将来的により多くの浦和の選手を代表で見たいと私も思っている」

―前回の試合後に新しい血が注入されたと話していたが、引き続き選んだ武藤への期待は? 新しく招集した小林への期待は? 長谷部を招集しなかったのは?
「新しい血はある。昌子も武藤も若い選手だ。彼らは良いシーズンを今、過ごしている。小林も良い印象を残してくれた選手だ。ゴールも決めているし、性格的にも良さそうに見えた。だから直接見たいと思った。ジャマイカ戦、ブラジル戦という難しい状況の中で彼を見たい。長期的な目標は常にW杯予選だ。3年後の彼らを想定しながら呼んでいる。

 メンバーに入っていない選手に対する発言は控えたい。メンバーに入っていない選手のほうが多い。その一人ひとりの話をするとキリがないと思う」

―森重はMF登録だが、MFとして考えているのか?
「興味深い質問だ。森重はF東京で4バックの最終ラインに入っている。浦和と同じようにF東京は非常に失点が少なく、良いディフェンスをしているチームだ。我々も基本的に4バックでプレーする。前回の2試合を思い出してもらうと、ボールを持ったときは3-4-3という形になる。そのとき、森重の存在が重要になる。ポリバレントな選手だからセンターバックとしてもプレーできるし、中盤の中央でもプレーできる。W杯でも彼を見たが、彼の空中戦での強さ、フィジカル的な強さを生かしたいと思っている。ボールを持ったときの質の高さも生かしたい。もちろん、彼がもともとセンターバックであるということは忘れていない」

―森重以外にアンカーで考えている選手は?
「細貝が彼のチーム内でのライバルになると思う。4-3-3の場合はそうなる。4-4-2や4-2-3-1などの形を考えると、全員がライバルになる」

―クラブでは長友は右、酒井高徳は左でプレーしているが、クラブに合わせた起用法を考えるのか?
「シュツットガルトの高徳を見たが、左でプレーしていた。我々は右で起用した。そこでの可能性を見るためだ。森重と同じくポリバレントな選手で、どのポジションもできる選手たちだ。香川も複数のポジションをこなせる選手。そういった選手を求めている。私にオプションを与えてくれる。西が右、太田が左ということも分かっている。長友と高徳はポジションを入れ替えても効果的なプレーができると思っている」

―スペインで八百長に絡んでいるとの報道があったが?
「私自身もみなさんと同じように、記事でそのことを知った。2年以上前の試合のことに関してだが、私はスペインで400試合以上指揮してきた。このことに関してはまったく心配していない」

―ブラジルには2年前のコンフェデレーションズ杯で大敗しているが、どんな戦いを求めるか? また、今後、捜査に協力してほしいとの要請が来た場合は?
「日本の国外でプレーするので、アウェーゲームという考えで臨む。もちろん、シンガポールにはたくさんの日本人の方が住んでいるので、応援に来るということも考えられる。コンフェデレーションズ杯の試合は私もテレビで見たが、両チームとも監督が代わった中で、その試合とは違う形になることを期待している。

 スペインでの件に関しては、私自身は穏やかな気持ちで日本で仕事をしている。そして、状況を見守りたいと思っている」

―前回とメンバーが大きく入れ替わったが、アジア杯に向けて多くの選手を見たいのか? その都度、調子のいい選手を選ぶ考えなのか?
「これは日本代表だ。今、状態の良い選手を入れないといけない。もちろん、監督という立場に立っている人の好みによって左右されることもあると思う。しかし、アジア杯のメンバーリストを作成するまでには4試合残っている。その中でできるだけ多くの選手を見て、最終的にベスト23と言える選手をアジア杯に連れて行きたいと思っている。メンバーは代わっている。前回呼ばれて今回呼ばれなかった選手には一層の努力をして、代表に戻ってきてもらいたいと思っている」

―Jリーグの得点ランキングで上位の選手が入っていないが、年齢的なこともあるのか、監督の好みの問題か?
「今回メンバーに入っていない選手を絶対に呼ばないということはない。門は開いている。ただ、中に入れるのは23人までだ。Jリーグの選手のパフォーマンスを常に見ている。20人以上が欧州でもプレーしている。同じポジションに6人、7人のいい選手がいて、たくさんのオプションがあり、全員を呼べないという状況は喜ばしいことだ。このポジションにはだれもいないという状況よりずっといいと思う」

―田中順也はクラブでベンチ外が続いているが?
「非常に重要な質問だ。欧州の選手を招集するのとJリーグの選手を招集するのとでは少し状況が違う。欧州の場合は、15日前にリストを送らないといけない。その15日の間にいろんなことが起こり得る。いずれにしても、代表での順也は前回の2試合で非常に良かったと思う。自分のチームでメンバーに入れていないとしても、セカンドチャンスを彼に与えるべきだと思う」

(取材・文 西山紘平)

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