beacon

W杯での対戦国に聞く ハリルホジッチがつくるのはどんなチームか?

このエントリーをはてなブックマークに追加

 日本代表が新たなスタートを切る。バヒド・ハリルホジッチ監督の初陣では、果たしてどんなメンバーがどんなプレーを見せてくれるのか。おそらく最も真剣に研究したであろう、ワールドカップ(W杯)での対戦国の記者らに、「ハリルホジッチがつくるチーム」について聞いた。

 日本サッカー協会は13日、ハリルホジッチ氏の日本代表監督就任を正式に発表した。19日には、今月下旬の2試合に臨むメンバーが発表される。

 ハリルホジッチ監督のつくるチームに、早くも注目が集まっている。そこでメンバー発表を前に、『GOAL』ではすでに深くハリルホジッチのチームを研究したであろう国の記者らに話を聞いた。昨夏のブラジルW杯で対戦した国の記者である。

 ハリルホジッチ監督率いるアルジェリア代表は、ブラジルW杯でベルギー、ロシア、韓国と同じグループHに入った。『GOAL』韓国版編集長イ・ヨンフンは、「ファビオ・カペッロ率いるロシアにしか焦点を当てていなかった」とスタートからのつまづきを指摘した。

 初戦でロシアと引き分けた韓国は、5日後のアルジェリア戦で手痛い敗戦を喫する。アルジェリアに前半だけで3点を奪われ、2-4で敗れた。

 大会前から、ハリルホジッチ監督の術中にはまっていたのかもしれない。イ・ヨンフンが語る。

「ハリルホジッチを過小評価したのは、韓国の最大のミスだった。W杯準備段階のアルジェリアから聞こえてきた話から、韓国でハリルホジッチは強情でおかしな監督だと思っていた。だが、ハリルホジッチは、『自分の選手』で、『自分らしい』チームをつくり上げていた。さらに、試合ごとにさまざまなプランを立てていた」

「韓国に対しては、ベルギーとの初戦から複数のポジションを変更し、速い攻撃を仕掛けるのに完璧な準備を整えてきた。韓国は、ファビオ・カペッロ率いるロシアにしか焦点を当てていなかったため、3失点を喫するまで韓国の選手たちはアルジェリア相手に何をしていいのか分からなかった」

 その驚きは、敗戦のショックを越えたという。大会後には、招へいを望む声さえ上がったというのだ。

「今では、十分な時間さえあれば、ハリルホジッチがとても競争力がありプランにそったチームをつくることができるのだと理解している。ハリルホジッチは何カ月もかけて韓国代表の全試合を見て、さらにはKリーグの試合もたくさん見たと話していた」

「韓国代表のファンはW杯での代表監督ホン・ミョンボに落胆し、アルジェリアを離れたハリルホジッチの韓国代表就任を望んだほどだった」

 では、どんな選手が選ばれるのか。

 W杯でのアルジェリア代表にはイングランドやイタリア、フランスでプレーする選手がいた。だが、飛び抜けた存在だったわけではない。

 『GOAL』クロアチア版のアンテ・ブシュクリッチはこう語る。

「ハリルホジッチは、特定のタイプの選手を好む監督ではない。それはクラブを預かっている時も同じことだった」

「過去には、スター選手と問題を抱えたこともある。どんな選手でも、スターとして扱うことを嫌うからだ」

 13日の会見で新指揮官は、「スターはいらない」と自ら話していた。どうやら、“宣言”どおりの人物であるようだ。

 目指すプレーについて全員が攻守に関わるスタイルを掲げていた。果たしてどんなチームができるのか、まずは19日のメンバー発表に大きな注目が集まる。
世界のサッカー情報はgoal.com

TOP