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日本vsブルガリア 試合2日前のハリルホジッチ監督会見要旨

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 日本代表は1日、試合会場の豊田スタジアムで公式練習を行い、3日のキリン杯準決勝・ブルガリア戦に向けて調整した。練習前にはバヒド・ハリルホジッチ監督が公式会見に出席した。

バヒド・ハリルホジッチ監督
「長い時間、練習を重ね、たくさんのトレーニングをしてきた。シーズンの最後なので少し難しい状況だが、トレーニングで調整してきた。グループを分け、段階を設け、特にメディカルスタッフは少し大変な作業があった。レベルが高い試合をするパフォーマンスを維持する努力をした。疲労がたまったときは休ませて、また再開した。選手はたくさんのトレーニングをして素晴らしかったと思う。

 少し問題があるとすれば本田圭佑のケガか。おそらく1試合目はプレーしないだろう。2試合目、もし彼が準備できていればプレーさせるが、リスクは取りたくない。それについては少し残念。(本田)圭佑はいい仕事をした。この合宿中、こんなにパフォーマンスの良い本田は見たことがなかった。ただ、圭佑がいなければ他の選手にチャンスを与える。他のやり方がないかなと思っている。

 トレーニングをかなり積んできた。このトーナメントに懸ける思い、2年目は(チームとしてパフォーマンスが)上がったというところを見せたい。勝つためのトライをしたい。我々より強いと言われる相手だが、我々にはこのトーナメントに懸ける野心がある」

―初招集の2人を手元で見た印象と、試合で使う可能性は?
「2人でなく、3人だと思う。浅野、小林祐希、大島の3人だ。大島と小林祐希に関しては、まだ準備できていないかなと思う。彼らはまず(A代表に)来て、見て学んでいるところ。今のところは浅野のほうが試合に関わるチャンスが大きいかなと思っている。我々と過ごした時間は少なく、昨日初めて戦術練習をした。彼らともディスカッションする。能力はあると思うので、A代表に定着する努力をしてほしい」

―コートジボワール代表の監督としてキリン杯に参加したことがあるが、当時の日本代表からどう変わっていると思うか?
「コートジボワールのときの話を思い出すと、ものすごく良い雰囲気で迎えられた。昨日見たグラウンドも素晴らしかった。明後日の試合は観客も多いと思うし、そこまで暑くもない。相手国がどのような気持ちで来るのか。日本代表としては良いテストだと思う。以前の日本代表と比べるのは難しい。私は現代のサッカーをするからだ。ブルガリアの映像は何試合も見たが、本当に強いチームだと思う。厳しさ、パワーがある。

 この1年間を振り返って、選手にペーパーを渡した。我々のアイデンティティーはこうですよというのを見せた。すべて文書にして説明した。ロッカールームにも貼れるし、守備の原則が何か、攻撃の原則が何か、FKでは何をすべきか、心理面もメンタル面もすべて説明して渡した。次に向けた準備のためだ。勝つ文化というものも伝えた。それは我々に欠かせないフレーズになる。どんな相手もリスペクトはするが、勝つトライをしようと。もちろん負ける試合もあるが、どんな相手にもコンプレックスを抱かないチームになってほしい。海外組には疲労もあったと思うが、厳しいトレーニングをしてくれたので私は楽観的でいられる」

―キーパーの選考基準は?
「この試合でもあらゆるトライをしようと思う。何人かの選手に関して、このポジションでもできるかどうかというのを見たい。キーパーに関してだが、(川島)永嗣は(事前合宿を含めて)ここに長く一緒にいる。おそらくプレーする可能性は大きいだろう。厳しいトレーニングをしてくれた。GKコーチともディスカッションしてきた。彼は野心を持って、先発を奪いたいという強い気持ちを見せてくれた。ただ、だれが優先順位の1位かは決めていない。最終予選にかけて、まだまだ発展があると思う。みなさんは9月1日に優先順位の1位が見つかるのではないか。今のところだれが1位かを言うことはできない」

―本田の代わりにだれを起用するのか?
「本田はプレーしない。リスクは取りたくない。親善試合だし、だれかがケガをするということはこれからもある。他の選手にチャンスを与えないといけない。我々のオーガナイズ(システム)に大きな変化はないだろう。ただ、(本田)圭佑とは違ったタイプの選手が出る。我々のプレーがどういう変化をするかはその選手による。本田はここ数年、A代表のキーだった。簡単に彼に代わる選手はいない。ただ、予選を戦ってきて、本田がいない試合もあった。シチュエーションが変わったので、1人2人、彼の代わりに使うことになるだろう。クオリティーは本田とは違うレベルかもしれない。

 監督は若手の選手を使う勇気を持たないといけない。私には若手にチャンスを与える勇気がある。大島、小林祐希はすぐにプレーさせるのではなく、次への準備というのもある。これまでのトレーニングで、選手に関して多くの情報を得ることができた。映像で見るより、こうして練習で見るほうが多くの情報を得られるし、意見交換もできる。各個人に映像を用意し、各個人と話をした。『これは良いが、これは向上できるよ』という映像だ。この合宿は本当に有効になっている。本田にもプレーしてほしかった。これだけ素晴らしいパフォーマンスでトレーニングしたのは初めて。本当に素晴らしいパフォーマンスだったので残念だ」

―明後日の試合で一番テストしたいことは?
「試合はテストだが、彼らがどのようなレベルで対応するかを見たい。欧州のフィジカル的に強いチームに対して、どう守備をするのか。デュエル、空中戦で対抗できるのか。オフェンス面で我々のプレーができるのか。最終予選に向けて良いレベルなのか。欧州の強豪国に我々のプレーができるのか。90分間、試合をコントロールできるのか。シリア戦は5-0で勝ったが、5-0というほど簡単ではなかった。10分の間に相手は2、3回のビッグチャンスをつくった。これは修正が必要だ。同じことを繰り返さないようにしないといけない。ブルガリアにこれをやれば、1点か2点は失点する。そういうレッスンをシリア戦で受けた。デンマークもボスニア・ヘルツェゴビナもFIFAランキングはかなり上位だ。我々よりテクニックがあり、パワーがある。そういう相手にどう対応しないといけないかが見える。これはW杯本大会に向けた準備でもある」

(取材・文 西山紘平)

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