日本代表は10日、試合会場のカシマスタジアムで公式練習を行い、11日のキリンチャレンジ杯・オマーン戦に向けて最終調整した。練習前にはバヒド・ハリルホジッチ監督が公式会見に出席した。

●バヒド・ハリルホジッチ監督
「我々にとって、いいテストになると思う。少し問題もあるが、これまで(日本代表で)プレーしてこなかった選手にもチャンスをあげて、クオリティーを見せてもらいたいと思っている。欧州でたくさんプレーしていない選手も見たい。それぞれが自分の立場でプレーしてもらって、5日後のサウジアラビア戦に備えるということ。少し寒いので、風邪をひかないようにしないといけない。まず1試合目に準備して、その後、最も大事な2試合目の話をしたい」

―香川の出場は?
「香川は打撲を抱えて日本に帰ってきたが、治療を続けてもらって、彼がプレーするかどうかは、また明日の様子を見たい。今のところ、少しトレーニングと少し治療という状態。明日の試合前に彼を信頼していいかどうかを考えたい。もしダメならリスクは取りたくない。そうなったら残念だが、たくさんプレーしていない選手にもプレー機会を与えたいと思っているので、香川に関しての決断は明日になると思う」

―欧州であまり試合に出ていない選手をプレーさせるのと、これまでチャンスを与えていない選手にチャンスを与えるのと、どちらを優先するか?
「優先順位としては、サウジアラビア戦でより良いパフォーマンスが出ることを考えている。確かに若い選手を呼んだ。我々と何回かトレーニングを積んでもらうためでもある。それは若い選手にも有効だし、チームにとっても役に立つ。会見でも言ったが、若い選手は来ると少し恥ずかしがり屋なところを見せる。例えば丸山は、最初は大島よりも恥ずかしそうにしていた。だんだん慣れてきて、トレーニングでもパーソナリティが変わってきた。全員がプレーすることはできないし、全員を喜ばせることはできないが、トレーニングしていく中でいろんなことが確認できた。頭の中で考えているのはサウジアラビア戦でだれが使えるかということ。何人かは休憩させたい。何人かはすでにたくさんプレーしているので、そういう選手をフレッシュな状態にしてサウジアラビア戦に備えないといけない。私の頭の中にはいろんな確認事項があり、それを今やっている」

―「少し問題がある」というのは香川のことか?
「他の問題もある。少し体調が悪い選手がいる。その体調がどの程度、良くなるかを見ている。気候が突然寒くなっている。我々はトレーニングのあとによくアイスバス(水風呂)をして疲労回復に努めているが、時々それによって寒くなり過ぎることもある。ディテールには入りたくない。状態が悪くならないでほしいと思っている。全員がサウジアラビア戦にいい状態で臨んでほしい。その目的を間違えてはいけない。明日も勝つための準備をするが、我々の目的は次の火曜日だ。簡単な試合ではないし、全員が必要。フィジカルもメンタルもトップの状態にならないといけない。今年最後の試合でもある。この時期は困難なことがある。前回の合宿もみんなが高いフィジカル状態ではなく、それは私にとって問題だった。そのためいつも2、3人余分に合宿に呼んでいるし、若い選手にもグループの雰囲気を感じてほしいと思っている。いつも問題はある。今は本当に難しい時期。9月、10月、11月は難しい状況を抱えているとあらためて思う。そうは言っても気持ちを下げる必要はないし、頭を下げる必要もない。強い気持ちを持って、今年最後の試合に臨もうと伝えるつもりだ」

―サウジアラビア戦に向けて試したいシステム、試したい戦術はあるか?
「今のところ効果的なオーガナイズを見せている。いろいろなことがまだ伸ばせるという話もしているが、公式戦ではディテール、小さなことが違いを生むと思う。公式戦ではまだ展開(流れ)の中で失点していない。これは素晴らしいこと。チームは素晴らしくオーガナイズされている。(アジア最終予選での)4失点はすべてセットプレー。4回の失点は簡単に防げたと思う。相手はファウルを誘ってくるし、その罠にかからないようにと伝えたい。自分たちでちょっとのミスをして、きつくなっている。集中とハードワークを要求している。オーストラリアにしても、サウジアラビアにしても、彼らは得点の50%をセットプレーから取っている。我々にはそれがない。そこをどう伸ばすか。我々もFK、PKを誘いにいかないといけない。前に行く攻撃は効果的になっているが、統計的にそういったセットプレーからの得点がない。それがあれば(得点は)25%、30%増え、そして勝利が増えると思う。そういうことを考えてチームを伸ばしていかないといけない」

(取材・文　西山紘平)

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