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長友佑都の新たな“相棒”になるか「彼は世界に通用するスピードを持っている」

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サウジアラビアのジッダで調整するDF長友佑都

 11年ぶりに国内組として代表戦に臨む日本代表DF長友佑都(FC東京)は「心境は変わらない。海外組であろうと、国内組であろうと、この日本代表でやるべきことは変わらないと思っているので、気持ちを含めてまったく変わっていない」と力を込めた。

 9月の代表戦後にFC東京復帰が発表され、11年ぶりにJリーグの舞台に戻ってきた。「FC東京の選手として、Jリーガーとして、日本代表に入ってきたので、そこは自分がしっかり基準を示せるようにとは意気込んでいる」。代表入りを目指すJリーガーに向けても、日本代表の基準、そして世界基準をピッチの中で見せる覚悟だ。

 7日のW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦(ジッダ)に向けては「チームとして積み上げてきたサッカーをサウジアラビアに対して、この環境に対してどうフィットさせていくかを重要視していきたい」と話す。前日の練習では午後6時半の開始時点で気温は30度を超えていた。日が沈むと風も吹き、体感は涼しいというが、環境面で相手にアドバンテージがあるのは間違いない。

「サウジアラビアは暑いところでずっと戦っているし、この環境を熟知した戦い方をしている。だからこそ、ポゼッションで相手を疲弊させて仕留めるサッカーをしてくる。アジア杯のときのように持たせすぎると厳しくなってくる」

 19年1月にUAEで開催されたアジア杯では決勝トーナメント1回戦でサウジアラビアと対戦し、DF冨安健洋のゴールで1-0で勝ったが、ボール支配率ではサウジアラビアが76.3%と日本を圧倒した。「ボールをかなり持たれて、厳しい試合、きつい試合だったけど、言い換えれば持たせている時間帯もあって、最終的な部分ではそこまで怖さを感じることなく試合をやっていた」。実際、シュート数では5本対15本と大きく上回れたものの、枠内シュートに限れば、日本の2本に対し、サウジアラビアはわずか1本だった。

「ただ、あれだけ持たれると、暑い中で体力的にも厳しくなる。あそこまで持たれるのはチームとして避けたい」。大事なのは前からプレスに行く時間帯と、しっかりブロックを作って相手にボールを持たせる時間帯をチームとしていかに使い分けるかだ。

「前から行くときはしっかりハメて、激しく球際を戦って、切り替えて速いカウンターを仕掛ける。ブロックを作ったときは相手に持たせるけど、アタッカーの選手にしっかり付けて、みんなが出ていくサッカーができれば点は取れると思う」

 サウジアラビアがポゼッションを高めてくれば、背後のスペースも空いてくる。「(サウジアラビアの)サイドバックは両方、高い位置を取っている。ポゼッションという意味では優位な立ち位置を取ってくるけど、逆に言えば裏が空いてくる。持たせている時間帯はそのスペースが空いていることを意識して戦えば、どんどん突いていけると思う」とイメージを膨らませた。

 左サイドサーフの先発候補はMF南野拓実やMF原口元気になりそうだが、他にもMF浅野拓磨やFW古橋亨梧といったスピードが武器の選手もいる。「前にはスピードのある選手がいるし、僕自身もコンディションは上がっている。サイドで持ったときに2対1をつくったり、スプリントして相手をはがしたりもできると思う」と自信を見せる。

 9月7日の中国戦(○1-0)で縦関係を組んだ古橋は後半開始直後に負傷交代。連係を深める時間は限られていたが、今回も追加招集で代表に戻ってきた。「彼は世界でも通用するスピードを持っている。チームとしてどう生かすかはしっかり話し合って考えていきたい」。ポジションを含め、古橋をチームとしていかにフィットさせるかが最終予選のカギにもなりそうだ。

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