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U-16代表候補は第2試合で日体大柏に惜敗も、中学生MF山口豪太らが成長や強みを示す試合に

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U-16日本代表候補の中学生MF山口豪太(FC LAVIDA)が強引にドリブル突破

[7.14 練習試合 U-16日本代表候補 2-3 日体大柏高 高円宮記念JFA夢フィールド]

 10月にヨルダンで開催されるAFC U17アジアカップ予選(FIFA U-17ワールドカップアジア1次予選)へ向けて準備を進めるU-16日本代表候補は千葉合宿最終日の14日、練習試合2試合を行った。第2試合は日体大柏高(千葉)と対戦。左SB藤井葉大(飯塚高)とFW木吹翔太(広島ユース)のゴールによって一時逆転したものの、2-3で競り負けている。

 第1試合終盤からの雨が強さを増して迎えた第2試合。U-16代表候補の先発は第1試合(対市立船橋高、3-0)後半途中から継続して出場のGKステイマンジョシュア草太郎(G大阪ユース)、右SB久松大燿(興國高)、CB土屋櫂大(川崎F U-18)、CB大場章太郎(鳥栖U-18)、ゲーム主将の左SB藤井、ダブルボランチが加藤嵩寅(横浜FCユース)と菅谷脩人(札幌U-18)、右SH山口豪太(FC LAVIDA)、左SH井上寛都(東京Vユース)、そして2日前の千葉U-18戦で直接FKを決めている山本吟侍(高川学園高)と木吹が2トップを組んだ。

 日体大柏は1、2年生のAチームメンバー。開始2分にMF片野拓久が早くも先制点を奪う。対するU-16代表候補は4分に藤井がミドルレンジから左足シュートを叩き込んで同点。13分にも左中間へ抜け出した木吹が並走するDFのチェックを強引に振り切り、最後は右足シュートをゴールへ流し込んだ。

 U-16代表候補は、「仕掛けて結構抜けて、シュートまで行けたのが自信になりました。疲れとかもあったので上手くさばきながら自分が行けると思った時は行っていました」という注目中学生MF山口が抜群の突破力を示し、また左足FKで相手ゴールを脅かす。

 その山口について、森山佳郎監督は「山口は守備の中間ポジションを最初に覚えたかなと。彼は自分のところを捨ててCBに掛けて(プレッシングの)スイッチになっていた。(求めている守備を)一番覚えて相手にも嫌なプレスの掛け方ができたかな」と評価。相手のパスコースを予測し、トラップ際を狙ってインターセプトに繋げて見せる。

 U-16代表候補は、守備能力光るSB藤井が激しい競り合いを制して一気に前進したほか、前半途中に投入されたMF三角乃英(ユトレヒトU-17)がポジショニング良く攻守でボールに絡む。「面白かったです。とても良いエクスペリエンス(経験)になったと思います」という三角が特長を発揮し、同じく交代出場の左SH小竹知恩(清水ユース)がパワーとスピードを活かして千葉U-18戦に続くゴールを狙う。結果へ貪欲なアタッカー陣は強気の仕掛けを連発。また、前半22分にGK山下将真(横浜FMユース)を投入したU-16代表候補は、連動したビルドアップ、崩しで前進してくる日体大柏を強度高い守備で食い止め、決定打を打たせない。

 2-1で前半を終えたU-16代表候補は後半、左SBに佐藤海宏(鹿島ユース)、ボランチに加藤、FWに井上を投入。だが、開始直後に右クロスから日体大柏MF片野に同点ゴールを奪われてしまう。9分にも右CKからCB前原波瑠に右足で決められて2-3。また、GK原田眞透やCB神野匠斗、左SB岡田ナミトと経験のある2年生が先発した日体大柏の守りは粘り強く、シュートをブロックされるなど3点目が遠い。

 U-16代表候補は、18分にカウンターから井上のスルーパスを受けた木吹が右中間を抜け出す。強引にDFの前へ出てGKと1対1に。だが、GKを引き付けて出したラストパスをキャッチされてしまう。この後、ピンチを凌ぎながら同点ゴールを目指したU-16代表候補だったが、ラストパスやシュートまで持ち込みながらも得点を奪うことができず。市立船橋戦に続く連勝とはならなかった。

 今回の千葉合宿メンバーは新戦力候補が中心。加えて昨年、上の世代の代表候補合宿を経験しながら今年は未選出が続いていた木吹や、5月のルーマニア遠征に帯同しながら6月のインターナショナルドリームカップメンバーから落選した山口のように悔しさを味わった選手も選ばれていた。

 山口については、森山監督も「ドリームカップ選ばれなかったので相当悔しかったと思う。SHで一番守備効いていたし、(受けてドリブルだけでなく、)オフで背後取ったり、たまに見せてくれるようになったので。一回ずつ成長できている」とコメント。新戦力候補の初招集組だけでなく、代表経験者が成長を示す試合、4日間の合宿にもなった。

 山口は1歳年上の世代でAFC U17アジアカップ予選や同本大会、そしてU-17ワールドカップに「出たいというのはあります」ときっぱり。山口だけでなく、今回の合宿を経験した各選手はここからまた成長を続け、10月のアジアカップ予選メンバーに食い込む。

(取材・文 吉田太郎)

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