beacon

山崎、坂本、永長、北野で4発!! U-19日本代表、流経大同世代とのテストマッチ制して“U-20W杯1次予選”へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

FW坂本一彩(G大阪)が追加点

[9.7 練習試合 U-19日本代表 4-1 流通経済大]

 U-19日本代表は7日、流通経済大とのトレーニングマッチを行い、4-1で勝利した。チームはこの後、10〜18日に行われるAFC U20アジアカップ予選のため東南アジア・ラオスに渡航。来年初夏のU-20ワールドカップ出場権をかけた“1次予選”に挑む。

 1〜2年生主体の流通経済大とのテストマッチ。冨樫剛一監督は4-2-3-1をベースに可変するシステムを採用した。GK彼島優(流通経済大)がゴールを守り、4バックは左からDF中野伸哉(鳥栖)、DF工藤孝太(浦和)、DF菊地脩太(長崎)、DF桒原陸人(G大阪ユース)。ダブルボランチはMF保田堅心(大分U-18)とMF楢原慶輝(鳥栖U-18)が組み、サイドハーフは左にMF山崎太新(筑波大)、右にMF中村仁郎(G大阪)。トップ下にFW坂本一彩(G大阪)、1トップにFW内藤大和(甲府)が入った。

 U-19日本代表は前半6分、右サイドを突破した中村がゴールライン際まで深くえぐり、ゴール前への折り返しに山崎が飛び込み、幸先よく先制点を奪う。ところがその後はU20アジア杯予選想定で5バックで守る流通経済大守備陣をなかなか崩せず、同18分にはカウンターから右サイドを抜け出されると、素早いパスワークからDF田口空我(2年=流通経済大柏高)に同点ゴールを沈められた。

 U-19日本代表は前半24分、内藤に代わってMF永長鷹虎(川崎F)を投入。永長は右サイドに入り、中村がトップ下、坂本が1トップに回った。すると同29分、山崎の左サイド突破から坂本がタメをつくり、最後は中村がフィニッシュするも枠外。同30分には彼島に代わってGK春名竜聖(C大阪U-18)が入った。

 前半33分、U-19日本代表はまたもサイド攻撃から決定機をつくられたが、MF渋谷諒太(1年=流通経済大柏高)のクロスはFW清水蒼太郎(1年=流通経済大柏高)にわずかに合わず、命拾い。同43分、右サイドで突破力を見せた永長の折り返しを坂本が受けると、落ち着いたトラップから冷静にネットを揺らして勝ち越しに成功し、2-1でハーフタイムを迎えた。

 U-19日本代表は後半開始時、大幅にメンバー交代。前半途中から出場していた春名、永長以外の9人を入れ替えた。4バックは左からDF松田隼風(水戸)、DF田中隼人(柏)、DF高井幸大(川崎U-18)、MF屋敷優成(大分)が並び、ダブルボランチはMF山根陸(横浜FM)とMF佐野航大(岡山)。サイドハーフは左にMF熊取谷一星(明治大)、右に永長が入り、トップ下にはMF北野颯太(C大阪)、1トップに内藤が再出場した。

 すると前半に比べて最終ラインが安定し、配球面も改善。後半15分過ぎには春名に代わってGK木村凌也(日本大)が入って全員が出場すると、同19分には松田のスローインから左サイドを崩し、北野の右足アウトサイドパスから永長が決め、リードを2点に広げた。さらに同35分にはゴール正面から北野が左足を振り抜き、ダメ押しゴール。堅守を見せる流通経済大に攻めあぐねる時間も続いたU-19日本代表だったが、終わってみれば4-1の圧勝となった。

 試合後、冨樫監督は「流経さんにいろんな想定をしていただいて、相手に対しての攻守、リスタートのところで、頭でっかちになりながらサッカーをするというのが今日のゲームだった」と説明。流経大に“アジア予選”仕様の戦法をオーダーしていたことを明かし、「すごくリアリティがあって、良かったところも悪かったところもあって、いいトライになった」と総括した。

 コロナ禍の影響もあり、この世代は十分な国際大会の経験を積んできてはいない。U-18日本代表との兼任で、さまざまな選手を発掘しながらチームコンセプトを植え付けてきた冨樫監督は「薄く積み上げてきて、いまはまだミルフィーユの4層くらい」と現状のチームを控えめに評価する。だが、今回は内藤、保田、楢原、桒原ら年下世代を抜擢するなど、“薄く広く”の試みも機能。MF松木玖生(FC東京)、FW横山歩夢(松本)ら中心選手を欠く中ではあるが、「薄くやってきたことが表れている」と手応えものぞかせる。

 10日にラオスで開幕するU20アジアカップ予選は中1日で4試合を消化する厳しいスケジュール。ラオス、グアム、パレスチナ、イエメンと格下相手だが、世界行きの最終予選にあたるU-20アジア杯は来年3月、U-20W杯は来年5月に控えており、結果と内容をともに積み上げていく戦いが求められる。

「まだ1次予選だけどわれわれにとっては時間がないと思っている。アジアのチームがオーガナイズされて、積極的なサッカーをしてくるので、自分たちが変にダブルスタンダードで入らないように、もっと高いものを持って入っていければ」。そう高い基準を求めた指揮官は東南アジアでの短期決戦に向けて「セレクトが終わってチーム一丸となってやっていくしかない。横のつながり、縦のつながり、出ている出ていないにかかわらずチームに関わっていくのがわれわれの良さ。それをいかんなく発揮できるようにしたい」と一体感で乗り越えていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】AFC U20アジアカップウズベキスタン2023予選特集

TOP