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U-22日本代表は10日イングランド戦…3つのポイントを要求する大岩監督、パリ五輪までの一年で底上げに期待も

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大岩剛監督

 U-22日本代表は10日、U-22イングランド代表と完全非公開で親善試合を行う。9日には大岩剛監督がオンライン会見を行った。

 昨年発足から4度目の欧州遠征で、今回は10日にU-22イングランド代表と、14日にU-22オランダ代表と対戦する。5日に現地入りをしてこの日で5日目。大岩監督は初招集5人を含めた23人に対して「同じ基準に持っていく作業は順調にできている」と手応えを語った。

 U-21欧州選手権を控えたイングランドは、プレミアリーグのクラブに所属する選手たちが揃うとの報道も。大岩監督は強国に挑むにあたり、3つのポイントを挙げる。「新しい選手、いままで来ている選手を融合するのは当たり前。それをしっかりとまとめること。チームとして攻守において、やるべきことをピッチの上で表現すること。勝利すること」と強調した。

 昨年3月の発足から招集メンバーも移り変わる。大岩監督体制のスタイルも浸透しており、指揮官は攻守の約束事を思い出させ、そのコンビネーションの精度を上げる作業にフォーカスし始めているようだ。そのうえで、それぞれの特長を出しながらプラスアルファを選手たちに求めるサイクルができあがっているという。

 大岩監督の会見前には、鈴木唯人が出席して報道陣の質問に応えた。2024年パリオリンピックに向けたサバイバル競争の中で、鈴木も「いまのメンバーがそのままパリ五輪に行くことはまずない」と言及。残り一年で継続して好調を維持し続けることの大切さを説いた。その後、大岩監督がその鈴木のコメントを報道陣から聞かされると、口元はニヤリ。賛同しながら自身の考えを語る。

「唯人はこの活動にあまり外れることなくずっと活動してきているので、私が言っていることはそういう風に聞こえているんだろうし、ずっと同じ選手たちでやるべきことではないのは普通です。それぞれが成長しなければ競争に勝てないと、選手たちも重々感じている。自チームで何を自分として表現しているのかこちらも把握した上で、グループとして、われわれの戦い方としてアジャストしてもらうということも同じように求めている。個のしっかりとした競争力と、グループとしての戦い方、マインドは持ってほしい」

 5月にU-20ワールドカップを戦った世代、6月にU17アジアカップを戦う世代も、行く行くはパリ五輪を目指す。「(それらの世代が)成長して、突きあげるような圧力が出てくることを期待しています。それがあれば尻に火が付き、より一層競争が激しくなる。継続して促していきたい」。残り一年のサバイバルを経ながら、選手たちの大きな成長に期待を寄せた。

(取材・文 石川祐介)

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