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「デュエルは韓国の土俵じゃない」。球際勝負でも勝ったU-17日本代表、日韓戦の構図を変える勝利

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U-17日本代表CB本多康太郎(湘南U-18)は競り合いで韓国の選手を上回っていた

[7.2 AFC U17アジアカップ決勝 U-17日本 3-0 U-17韓国]

「デュエルは韓国の土俵じゃない。俺たちの土俵だ」

 AFC U17アジアカップを戦うにあたり、森山佳郎監督は「相手の土俵でも負けない」ことを一つのテーマに掲げて選手たちに言い聞かせてきた。

 例えば、頑健な肉体を持つ選手が揃うイランに対しても「ロングボールの競り合いでも負けるな」と言ってきた。自分たちの得意なプレーで上回ることはもちろん、相手の得意なプレーでも負けない姿勢を示して対抗すること。それが世界大会にも、そして選手たち個人の成長にも繋がるという考え方からだ。

 一方、決勝戦を前にして言ったのは「デュエルは韓国の土俵じゃないぞ」ということだった。日韓戦というと球際の攻防に長ける韓国に対し、日本が技術力で対抗するという構図になった時代もあったが、指揮官は「どっちも勝つ」ことを強調。タフネス勝負上等の精神でこの決戦へ挑んだ。

 終わってみれば、このデュエルの勝率は日本59.3%、韓国40.7%と約20%上回ることに。空中戦のデュエルに関しても、日本56.3%、韓国43.8%と日本側が優位を保ち続けた。身長では下回っていても、競り合いのスキル、予測力、あるいは気迫の部分で劣らなかった結果だろう。

 後方から試合を見守っていたGK後藤亘(FC東京U-18)は「このチームは本当にみんなが体を張って戦ってくれるので、GKとしては助かります」と笑顔で振り返ったように、隙を見せずに全員で敢闘する姿勢を貫いたことが一つの勝因だったのは間違いない。

 もちろん、「これで世界大会も大丈夫などということはまったくない」と指揮官は強調する。「もっとビルドアップのところは改善したいし、まだまだやらないといけないことは多い」とも言う。優勝という果実は手にしたが、チームに慢心はない。11月のU-17ワールドカップでは、さらにブラッシュアップしたチームでの躍進を狙っていく。

(取材・文 川端暁彦)
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