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切れ味満点ドリブルはアジアでも通用…U-17日本代表MF川村楽人「“三笘選手に似ている”と言ってもらえて嬉しかった」

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 今年6〜7月に行われたU17アジアカップで大会史上初の2連覇を果たし、世界への扉を開いたU-17日本代表だったが、その結果をもって現状に満足している選手は一人もいなかった。見据えているのは「世界との差」。年上世代がグループリーグ敗退に終わったU-20ワールドカップの教訓も活かし、11月に開幕するU-17W杯に向けた競争が再び始まっている。

 東京ヴェルディユースのMF川村楽人にとって、U17アジア杯は大きな飛躍の大会となった。

 世代別代表は今年4月のU-17日本代表候補合宿が初招集と経験は浅いが、高い技術と積極的な仕掛けを活かしてアピールに成功。「代表ではいろんなところから来ている選手たちからいろんなことが学べるし、自分も吸収したいと思ってやっていた。前回の代表(4月の候補合宿)から、自分に足りない切り替えの部分はチームに持ち帰ってやっていたし、自分の良さを伸ばすところもやってこられた」というその後の努力も実り、アジア杯行きの切符を獲得した。

 大会開幕後は左サイドで何度も相手ディフェンスを切り裂くドリブルを見せ、守備を固めてくる相手を圧倒。そんな姿に日本国内では、MF三笘薫(ブライトン)を彷彿とさせるという声も上がっていた。

 帰国後取材に応じた川村は「チームメートからTwitterを見せてもらったりして、そこで『三笘選手に似ている』と言ってもらえて嬉しかった。自分もそれだけ注目されている選手になれているのかなと思う。満足しちゃいけないけど一つ自信になった」と述べつつ、「アジアでも自分のドリブルは通用した部分が多かったので自信は持てた」と振り返った。

 もっとも、アジア杯では合計5試合に出場したものの、先発機会は大きく選手を入れ替えて臨んだグループリーグ第3戦インド戦と準決勝の韓国戦のみ。ここからスタメンに定着していくためにはもう一つ壁を越えなくてはならない。

「守備の強度はゴリさん(森山佳郎監督)からも強く言われたし、もっとやっていかないといけないという課題が大きく残った」とウィークポイントを見つめた川村は「(奪うために)アタックに行く部分、ボールを奪う力、中間ポジションを取ってどの選手からも奪える距離感に立つポジショニングの部分も必要だと感じた」とさまざまなトライをしているようだ。

 これまで世界大会の経験や列強国との親善試合経験はあまりなく、U-17W杯に出場すれば夢の大舞台となる。「一瞬のスピードは自分もあると思っているし、そこでかわせる自信はアジアでもつけられたので、世界でどれだけ通用するか、選ばれて楽しみたい」。そう目を輝かせた川村はこの夏に向けて「自分の得意な部分で勝負するのは当たり前だけど、そこで対応された時に自分の武器がどれだけ通用するか」という狙いを絞らせない駆け引きに注力し、「クラブユースに出られないのが残念だけど、体力的なところ、暑さに慣れるところを当たり前にして、自分から意識的に走っていくことも意識していきたい」とレベルアップの期間とすべく意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)
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