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青森山田CB山本虎主将はU-17日本代表の活動で新たな発見。「もっと変わらないといけない」

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CB山本虎(青森山田高)はU-17日本代表のチームリーダーとしてBalcom BMW CUP優勝。優勝トロフィーを掲げる

[8.11 Balcom BMW CUP第3節 U-17日本代表 4-0 U-17ウズベキスタン代表 広島広域公園第一球技場]

 年代別日本代表の活動は、昨夏のU-16日本代表候補合宿以来1年ぶり。青森山田高主将のCB山本虎(3年)が、U-17日本代表のリーダーとして「HiFA 平和祈念 2023 Balcom BMW CUP 広島国際ユースサッカー」優勝を果たした。

 引き分け以上で優勝の決まるU-17ウズベキスタン代表で2試合ぶりに先発。広島ユースとの初戦は、展開力や対人守備の強さを見せた一方、ミスで失点し、後半途中に負傷交代していた。「昨日(広島県高校選抜U-18戦)休ませてもらって、今日、このチームのキャプテンとして80分間どれだけアピールできるかだった」という山本は、U-17日本代表を統率。4-0で試合を終えた。

「一番はゼロに抑えること。ゼロに抑えながらもフィードやボールポゼッションのところでやりたいことが共有できてきて、今日はとても良い試合だったんじゃないかと思います」。心がけたのは、普段通りの自分を出すこと、リーダーシップを発揮することだった。

 山本は左右両足から繰り出す高精度のフィードや判断力の高さ、対人の強さを特長とする高体連屈指のCBだ。中学時代から年代別日本代表候補に選出されているが、今回は久々の代表活動。初招集組も多く、プレー面で合わせることに気を取られ、なかなか自分の良さを出せなかった。

 だが、この日は青森山田で大事にしている「伝え合う」こと、「前に強く行く」ことから強く意識。「後ろの選手が声を出さなければ守備のところはハマらないと思う。山田でやっている時のように、全員を動かす。一人じゃできないので全員で動かして、なおかつ自分は前に強く行くということが、今日凄くできていたんじゃないかと思います」。ビルドアップで相手を左右へ揺さぶり、青森山田で培われたシュートブロック、カバーリングも発揮。U-17日本代表にとって今大会初の無失点勝利を果たした。

「ここに来て初めての選手が多い中で、最後の試合は(伝え合うことを)後ろから出せたと思っている。それを常に続けながらやれればいい。(また)いつも山田でやっているゴール前の守備はこの代表活動の中でも活きている部分。そこは今日も身体を張ってやれたんじゃないかと。(青森山田高の監督である)正木さんにも、『自分のプレーを出しながらリーダーシップを持ってやれ』と言われていたので、今日はそういう部分を出せたんじゃないかと思います」と頬を緩めた。

 この日は、U-17日本代表の森山佳郎監督も評価する動き。U-17ワールドカップメンバー入りへ「名乗りを上げる」ことを求められた活動で、アピールに成功した。本人にとっても貴重な経験になったようだ。

「今年まだ(代表に)入っていなかった中で、自分の日ごろの考えのレベルが低かった。この代表に来てもう一回感じられましたし、そういう意識、目標を見つけられたのは大きい。相手の守備の部分を見て嫌なところをついていくところをもっとできないといけない。ロングフィードは得意ですけれども、『止める・蹴る』の基準をもっと上げなければいけない」

 現状に満足することなく、今回学んだことを持ち帰り、課題改善を目指していく。「3か月後の世界大会に出るためにやっていきたい。帰ってからチームで活躍することもそうですし、日頃の練習からもっとチームでやることはありますけれども、個人としても代表でできなかったことを自主練や練習中から考えながらやりたい。ここで培った経験を(青森山田に)伝えるだけでなくて、自分もやっていかないと自分も成長がないと思いますし、後期のプレミアで負け続けると思う。自分が『もっと変わらないといけない』と思いました」。今年、プレミアリーグEASTで首位を快走する青森山田だが、インターハイは3回戦で敗退。山本は夏の経験を経て、自身も、青森山田も変える。

(取材・文 吉田太郎)

●U-17ワールドカップ2023特集ページ
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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