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久保建英、印象に残ったトルコDFを独特表現「ターミネーターみたいな…」

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日本代表MF久保建英(ソシエダ)

 待ちに待った先発出場の舞台は整った。日本代表MF久保建英(ソシエダ)がキリンチャレンジカップ・トルコ戦(12日・ゲンク)を翌日に控えた11日、報道陣の取材に応じ、「僕は余裕もあるし、焦りとかはないけど、代表のメンバー争いも熾烈。チャンスがあればしっかりアピールしていきたい」と意気込みを語った。

 ラ・リーガの開幕4試合で3ゴール1アシストと結果を残し、「僕史上最高」と言い切るコンディションで日本代表に合流した久保。しかし、9日の国際親善試合ドイツ戦(○4-1)ではベンチスタートだった。

 結果的には後半30分からの投入で2アシストという数字を残し、さすがのクオリティーを発揮した一戦となったものの、試合後には「スタートで出られなかったことにがっかりしていたので、その意味で当然悔しいという気持ちはあった」と先発から外れた悔しさも口にしていた。

 それでも次のトルコ戦は、ドイツ戦から中2日での試合。森保一監督は大幅なメンバー変更を予告しており、久保は待ちに待った先発出場が見込まれる。

 トルコ戦に向けて久保は「良い試合をした後なので、みんなの期待も高まっているぶん落とせない試合になる」と断言。相手はFIFAランキング43位(日本は20位)だが「FIFAランキングはアテにならないと思う。僕らより上のチームも負けているチームはあるし、足をすくわれているチームもたくさんある」と警戒しつつ、カタールW杯4強のモロッコを例に挙げながら「トルコもモロッコみたいに乗ったら手をつけられないチームという印象が僕の中でちょっとある。相手に乗らせないように良い立ち上がりができれば僕らとしては良いのかなと思う」と展望を語った。

 普段から欧州サッカー界を幅広くチェックしている久保だが、トルコ代表で印象に残っているのは今夏レスター・シティからアトレティコ・マドリーに加入したDFチャグラル・ソユンク。久保が所属するソシエダは今夏、メキシコで行われたプレシーズンツアーでA・マドリーと対戦していたが、トルコ代表CBのフィジカルには衝撃を受けたという。

「横で見た時にターミネーターみたいな……びっくりするほどゴツかった。みんなよく(ドイツの)ジューレ選手、リュディガー選手がゴツいみたいな話をするけど、彼らより全然といったら大袈裟かもしれないけど、彼らよりゴツかった。自分のポジションで言えば安易にタッチを長くするとかは気をつけたい」(久保)

 そんな相手を打ち破り、ゴールやアシストを挙げられるか——。しかし、そうした周囲の期待とは裏腹に久保は自らの役割に集中している。

「一番確率の高いプレーをするだけだと思う。シュートを打ったほうがいいと思ったら打つし、パスしたほうがいいと思ったらパスを出すし、勝てばいいなと個人的に思っているので」。言葉の端々から感じられるのは、自分は日本代表にふさわしい選手だという余裕だ。

 そうした心構えでいられるのは「シンプルにチーム(ソシエダ)でのプレーがいいので、変に焦りも緊張感もなく、ただただいつもどおりのプレーをすればいいなという感覚が自分の中にあるからだと思う」と久保。カタールW杯以降は日本代表でもクラブチームでも結果が伴っている中、成長の秘訣を問う報道陣の質問にも自信をにじませた。

「成長というより、ちゃんと自分のポジション、一番自分のやりたいところで使ってもらえたらあれくらいできるよというのは前から思っていた。W杯では色々あって、左で出たり、チームのために走ったりと難しいこともあった中、今はやっと自分の本来の力を出させてもらえる環境が徐々に整ってきたのかなという印象がある」

 トルコ戦でも「一番力を発揮できているのは右」という本職での出場が濃厚。ドイツ戦後に「今回もしっかり結果を出して、次も結果を出して、僕の自信が正しいというか、過信じゃなくて実力があるんだよということを結果で示していけば良いのかなと」と気丈に構えていたように、このままのパフォーマンスを続けるのみだ。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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