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芸術的アシストの伊東純也「チップでいけば意表を突けるかなと」

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日本代表MF伊東純也(スタッド・ランス)

[10.13 MIZUHO BLUE DREAM MATCH 日本 4-1 カナダ デンカS]

 さらに進化しつつある姿を披露した。日本代表MF伊東純也(スタッド・ランス)は右サイドハーフで先発。強度の高い相手にも苦労することなく攻撃を仕掛けつつ、90分間フル出場し、幅広いプレーで存在感を見せつけた。

「前半にいい入りをしてから相手の時間があったが、PKを止めたところから守備を修正して、自分が3バックの前に行くところから守備がハマり出した。良い形で試合を運べたと思う」。スコアも内容も手応え十分の試合だった。

 新たに身につけた技術を見せたのは、右サイドを駆け上がって精度の高いクロスを上げた直後の前半7分だ。左サイドからのクロスに対してゴール前に侵入し、相手DFの前に入って左足シュート。かろうじてGKに阻まれたが、相手の逆を突く巧みなシュートだった。

「ドイツ戦もそうでしたが、クロスが上がる瞬間に、相手の視野から消えて相手の前に入っていくことを意識している。良い形で入ってボールが来ることが増えていると思う」という。

 “おしゃれなパス”で会場を沸かせたのは3-0で迎えた後半4分だ。遠藤航を起点に、中山雄太、南野拓実がつないだボールを受けた伊東が左足でDFラインの裏へ柔らかいパス。MF田中碧(デュッセルドルフ)が決めて日本は4-0とした。

「最初はトラップして左足で打とうと思ったけど、目の前に(田中)碧が走ってきたので、パスに切り替えた。チップでいけば意表を突けるかなと思った。結果的に良かったかなと思う」。その言葉通り、判断も冴えていた。

 終盤は左サイドでもプレーし、78分にはゴール前へ侵入してGKと1対1になり、右アウトでテクニカルなシュートを打つ場面もあった。

「きつい時間だったけど、うまくこなせればいいと思っていた。シュートまで行けたシーンがあったので決められればよかった」と反省も忘れない伊東。リーグ戦やカップ戦が目白押しの時期の長距離移動と時差は厳しいが、「選手として長く出れることは嬉しいこと。キツイと言ってもやらなきゃいけないこともある。それが代表の試合だと思う」と語る表情には充実感が浮かんでいた。

(取材・文 矢内由美子)
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矢内由美子
Text by 矢内由美子

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