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かつて父も汗を流した地でU-17W杯への決意新た…中島洋太朗「持っているものを全部出して戦いたい」

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MF中島洋太朗

 千葉県市原市にある姉崎公園サッカー場。2009年までジェフユナイテッド千葉が練習場として使用していた場所で、U-17ワールドカップに臨むU-17日本代表が国内最終調整を終えた。

「お父さんにも『楽しんで来いよ』『頑張って来い』と言われた。グループリーグは(対戦相手は)どこもいいチームなので、まずは本当に楽しみという気持ちが強い。持っているものを全部出して戦っていきたいです」。かつて父親の中島浩司さんも汗を流した場所で、MF中島洋太朗は世界大会に向けた決意を新たにした。

 高校2年生世代を中心とするU-17代表だが、今回の代表メンバーには、今季J2で18試合に出場するFW道脇豊を筆頭にすでにプロ契約を結ぶ選手が複数いる。中島も今年9月1日にサンフレッチェ広島とのプロ契約を発表。プロ選手として、U-17W杯を戦うことになった。

 プロ選手としての自覚も日に日に高まっている様子。「昇格して、毎日トップの環境で練習出来ているので、そこは成長できる一番のところ。この間も試合メンバーに入ったし、次は試合に出ることと、毎回目標が出来ている」。先日のC大阪戦とFC東京戦は2戦連続でベンチ入り。しかしともに最後まで緊迫した展開が続いたこともあり、デビューはお預けとなっていた。「ああいう場面(接戦)で使われないのは、自分に力が足りないなと思いました」。今は体験するすべてが勉強になっている。

 W杯出場にあたり、広島の選手たちからは“経験値”を託されてきたという。「ほとんどみんな、頑張って来いよとか、メンバー発表の時もおめでとうと言ってくれた」。特に18年に今回のU-17W杯と同じインドネシアで開催されたU-19アジア選手権でスーパーミドルを決めて当時話題をさらったDF東俊希からは、現地での心得を説いてもらったようだ。

 代表チームでは、ボランチのレギュラーとして起用されることが濃厚だ。もっとも、今回の代表が立ち上げられた当初からコンスタントに選ばれ続けることで、先頭に立って引っ張っていかないといけないという思いを強くする。「みんなが中心になってくると思うけど、自分は立ち上げからいろんな経験をさせてもらっている。そういう部分はみんなで共有していきたいなと思います」。ピッチの中央で走り回る背番号7が、チームの心臓になる。

(取材・文 児玉幸洋)
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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