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中盤を制したなでしこJ、長野風花はチーム2点目への好パス「ずっとイメージしている形。体現できてよかった」

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MF長野風花

[2.28 五輪アジア最終予選(女子)第2戦 日本 2-1 北朝鮮 国立]

 圧倒的な存在感で中盤を制した。日本女子代表(なでしこジャパン)MF長野風花(リバプール)は鋭いパスでチーム2点目の起点を作った。「私がずっとイメージしている形だった。それが体現できてよかった」と手応えを口にした。

 中盤の底からチームを押し上げた。第1戦の4-1-4-1では前線にボールがつながらず。「後ろで回して、それで詰まったら蹴るだったり。チームとしてつながりが見られなかった」。第2戦に向け、チームは得意とする3バックに変更。長野はMF長谷川唯とともに2ボランチを組んだ。

「ゆいゆい(長谷川)や私のどちらかがビルドアップに関わりながら前進できた。W杯でもこのフォーメーション。やり慣れているところはあったので、スムーズに試合に入った」。バイタルエリアまでボールを運べるようになると、前半26分にはFW田中美南がファウルを受けてFKを得る。DF北川ひかるのキックが味方につながっていき、最後はDF高橋はなが押し込み、なでしこジャパンは待望のゴールを手にした。

 意識したのは、スペースを見つけること。1トップや2シャドーが上下に動き、相手を食いつかせてスペースを作る。「第1戦になかった縦パスで、ボールが入るようになった。ワンタッチやフリックで関わりも増えてきていた」。相手を動かしてズレを作り、スペースに動いた味方を生かしていく。後半31分には長野が持ち味を発揮する。

 左サイドからロングキックが入り、ボールを拾ったMF藤野あおばがマイナスにパス。下がるボールの一方で、右サイドライン際をDF清水梨紗が全力疾走する。長野はそれを見逃さずダイレクトスルーパス。清水のクロスから藤野がヘディングシュートでチーム2点目を沈めた。

「1戦目はその距離間になかなか人がいなかった。今日は距離間も修正できて、しっかり3人目を使えれば必ずチャンスができるとイメージしていた」。なでしこジャパンの強みを生かしたこのゴールが、パリ五輪行きを決める決勝点となった。

 負ければ五輪行きが消滅するというプレッシャーも気にしていなかった。「私自身はすごく楽しみだった。正直負ける気があんまりしなかったので。みんな自信を持っていこうねと話をしたなかで、切符を掴み取れたのでとってもうれしい」。頼れる背番号10のもと、なでしこジャパンは今夏、悲願の金メダルを目指す。

(取材・文 石川祐介)
石川祐介
Text by 石川祐介

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