[3.25 国際親善試合 U-23日本 2-0 U-23ウクライナ ミクスタ]

　最後方でアグレッシブに攻守を支えた。U-23日本代表DF馬場晴也(札幌)はフル出場で完封に貢献した。来月にはパリオリンピックアジア最終予選が控えているなかで「結果はよかった。だけど、まだまだ自分自身はできる」とさらなる成長を誓った。

　U-23日本代表はマリ戦で1-3と完敗。とりわけビルドアップに苦しんだなかで、ピッチ外で見守った馬場は「前線への選択をやっていけたら。チャレンジしてなんぼだと思うので」と縦への意識を強く持っていた。ウクライナ戦ではその意識が前面に出る。相手選手間の狭いエリアでも果敢に縦パスをつけ、自らドリブルでセンターサークル付近まで持ち出す場面もあった。

　チームの勝利とともに、たしかな手応えを掴んだ。「パスパスではなかなか前進できないということはマリ戦を見て感じていた。自分がうまく運ぶことを意識していた」。果敢な姿勢を保ち続けたが、それでも自身の採点は及第点。「欲を言うとさらに裏だったり、縦パスもそうだが、もう少し裏を見せられたら、染野(唯月)だったりをもう少し生かせた」と課題を見出していた。

　海外組がいる常連メンバーのチームにひさびさに復帰した。大岩剛監督体制の初期メンバーだったが、2022年11月以降は3度の招集から外れた。昨年9月のアジア競技大会で招集されると、大学生メンバー中心のチームでリーダーシップを発揮。韓国に敗れて準優勝に終わったが、豊富な経験による安定したプレーを見せつけた。

　パリ五輪アジア最終予選を目前に、再びチームに戻ってきた。予選前最後の親善試合で活躍を残したが、それでも馬場には危機感しかない。「最終予選まで時間がない。だけど、もっともっといいものが見せられると思う。そこはこだわっていきたい」。戦いの舞台は再びJリーグに戻る。「考えすぎずに一個一個の練習や試合に集中して、それが成長につながればいい」。来月の招集までまた一歩ずつ進み続けるつもりだ。

(取材・文　石川祐介)

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