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パリ行き決定弾の荒木遼太郎、“自分のプレー”を支えた鹿島時代の先輩からの言葉

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MF荒木遼太郎

[4.29 U23アジア杯準決勝 日本 2-0 イラク ドーハ]

 苦しい時間を乗り越え、日の丸を着けた戦いで実力を見せつけた。U-23日本代表MF荒木遼太郎(FC東京)は、パリオリンピック出場が懸かった試合で大岩剛監督体制初ゴール。「チームに何かしらゴールで貢献したいと思っていた。この試合で決められて本当によかった」と喜びを語った。

 準々決勝では途中出場ながらFW細谷真大(柏)の初ゴールを演出。攻撃的センスを見せ、準決勝で先発入りした。「自分のプレーを出しながら日本のために戦おうと思っていた」(荒木)。1-0で迎えた前半42分、MF藤田譲瑠チマ(シントトロイデン)のパスに華麗な反応。ゴール前で相手GKをかわすような右足シュートでゴールネットを揺らした。

「チマからもらったときにファーストタッチで自分の打ちたいところに置こうと思っていた。そこだけにこだわって、あとはGKを見ながら冷静に流し込んだ」

 大岩剛監督体制には発足当初から参加していた。しかし、鹿島アントラーズで出場機会を失うとともに、代表からも遠ざかった。今シーズンは期限付き加入したFC東京で6試合5ゴールの大活躍。3月の代表活動で2年ぶりに日の丸を着けると、パリ五輪を目指すメンバーに滑り込んだ。

「代表から遠ざかりすぎていた。入ればいいなくらいに思っていた」

 パリ五輪決定の喜びとともに、本音ものぞかせた。「試合に出ない時期もあった。自分のプレーに対して悩んだりもした」。心の支えにした言葉があったという。「周りの先輩たちから自分のプレーをやめるなと、自分にしかないものだからやめるなと言われた」。鹿島所属時に広瀬陸斗(現神戸)や鈴木優磨らから背中を押してもらっていた。

「こうやってこの舞台でもやり続けて、ゴールを決めたり、チャンスメイクはできている。本当にやり続けてよかった」

 代表で充実した時間を過ごしている。「どうせやるんだったら、自分のプレーを出して日本に貢献したい」。日本は8年ぶり2度目の優勝を懸け、5月3日の決勝でウズベキスタンと戦う。荒木は「優勝して日本に明るいニュースを届けたい」と静かに力を込めた。

(取材・文 石川祐介)

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石川祐介
Text by 石川祐介

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